弟子の関与で理事長ピンチ…「居座り許さない」の声も

[ 2010年6月18日 21:16 ]

 雅山関の賭博関与はある意味で、ほかの関取よりも衝撃的だ。師匠は相撲協会トップの武蔵川理事長。角界の賭博汚染について、同理事長は15日の記者会見で「こんなことがあるとはわれわれも思っていなかった」と語ったが、弟子の関与で、自らの進退問題に発展する可能性が出てきた。

 複数の関係者によると、雅山関がかかわったのは、暴力団関係者とのつながりが指摘される野球賭博ではなく、花札など、それ以外の賭け事とみられる。協会内には「野球(賭博)じゃなければ、逃げ切れるかも」と、理事長辞任にまで及ばないとする見方がある。
 ただ、見逃せないのが、協会内にくすぶる執行部への不満。例えば今回の賭博の実態調査で、自ら申告すれば処分を厳重注意にとどめることを約束しながら、実際は調査資料を警察に渡し、捜査次第でそれ以上の厳罰を科す可能性が出てきた。
 これには反発する協会員は多く、ある若手親方は「自分のところの弟子が賭博をしておいて、自分だけのうのうと理事長の座に居座っているのは許さない」と憤る。
 北の湖前理事長(元横綱)は2008年9月、弟子だった元白露山が尿検査で大麻に陽性反応を示した引責で辞任。当時、ナンバー2の事業部長だった武蔵川親方が引き継いだ。今回、仮に武蔵川理事長が辞めた場合、有力候補がおらず、後任理事長を巡って混乱する可能性もある。

続きを表示

2010年6月18日のニュース