銀メダリスト・太田 本人も驚くGP格のW杯初制覇

[ 2010年5月16日 06:00 ]

 フェンシングの高円宮牌W杯東京大会第2日は15日、駒沢体育館で男子フルーレ個人決勝が行われ、北京五輪銀メダリストで世界ランク3位の太田雄貴(24=森永製菓)が優勝した。6試合で2ケタ失点は1度と安定した戦いを見せた太田は、決勝でバレリオ・アスプロモンテ(イタリア)に15―5と圧勝。W杯は3勝目も、獲得ポイントの大きいGP格の大会は初制覇となった。

 世界ランク上位16人が勢ぞろいするGP格のW杯初制覇に、一番驚いたのは太田本人だった。「風邪気味だったし今から勝った理由を振り返ってみないと分からない」。3回戦で苦手としていた米国選手に12失点した以外は、すべて圧勝。準々決勝では0―4から試合をひっくり返す底力も見せた。「東京での大会で重圧を感じていたけど、今年は意識しなかった。成長したかな」と笑った。
 3月上旬のドイツ合宿で右人さし指を骨折し、かばううちに右ひじも痛めた。先月下旬から痛みが激しくなり、1週間前に痛み止めの注射を打ち、なんとか剣を握れる状態になったという。それでも、この日はスポットライトで試合場を照らす演出などもあり「気持ちが乗っていった」。競技の普及のために腐心する日本の第一人者は、今年11月の世界選手権制覇を次の目標に掲げた。

続きを表示

2010年5月16日のニュース