入江 世界選手権金獲りピンチ!

[ 2009年7月10日 06:00 ]

 ユニバーシアード夏季大会第9日は9日、セルビア・ベオグラードで行われ、競泳の男子二百メートル背泳ぎ予選で、入江陵介(19=近大)は1分58秒40で1位通過した。その一方で、8日に行われた全米選手権第2日(インディアナポリス)の百メートル背泳ぎでは、アーロン・ピアソル(25)が史上初めて52秒を突破する51秒94の世界新記録をマーク。世界選手権(26日~8月2日、ローマ)で2冠を目指す入江は、苦しい立場に追いやられた。なお、入江は8日の男子五十メートル背泳ぎは25秒05で2位だった。

 得意の二百メートルに登場した入江は、予選を全体トップで無難に突破した。スピード社のレーザーレーサーを着用し、ただ1人の1分58秒台。「まあまあいい感じ。前半はちょっと攻めて結構良かったので、後半はゆっくり行った」と好感触を口にした。前日の五十メートル決勝では日本記録保持者の古賀に0秒42もの差をつけられて2位に終わり「力みが出た。自己最高を狙っていたのでショック」と肩を落としたが、しっかり気持ちを切り替えた。
 レース前に強烈なニュースが飛び込んできたことで、緊張感は一気に高まった。全米選手権の百メートル背泳ぎで五輪2大会連続金メダルのピアソルが、史上初めての51秒台となる51秒94の驚異的な世界新をマークしたのだ。
 自身の持つ世界記録52秒54だけでなく、1日にアシュウィン・ウィルデブール(スペイン)が出した未公認の52秒38をも大幅に更新。国際水連の認可したアリーナ社の「Xグライド」を着用しており、文書による申請手続きを経て、正式に公認される見通しだ。6度目の世界記録を達成したピアソルは「美しいレースだった。ほかの水着を着ていても今夜は世界記録を破れる感触だった」という。
 入江の百メートルのベストは5月の日豪対抗で出した日本記録の52秒56。3日前に52秒60を出した時は「ベストに近いタイムが出たのでよかった」と満足げだったが、認識が甘かった。進化する水着の影響もあって、今年も世界の記録は急激に向上。世界選手権で52秒台半ばでは勝負にならない。百メートル、二百メートルともに世界記録と金メダルを狙う入江は「51秒台が出たので…。自分も(11日のメドレー)リレーでそれに近づけるような記録が出せたら」と厳しい表情で語った。

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2009年7月10日のニュース