遼くん 全英は第1打1番が勝負

[ 2009年7月10日 06:00 ]

<全英オープン 石川遼 練習>Hでラフの中から第2打を放つ石川遼

 ドライバーで攻め抜く決意の石川遼(17=パナソニック)に難関が立ちはだかった。全英オープン(16日開幕、ターンベリー)に向けてスコットランドに到着した石川は9日、ターンベリー・エイルサコースで18ホールの練習ラウンドを行った。だが、1番、13番、18番のパー4は、第1打でドライバーを使用しにくいコースセッティングであることが判明し、13番と18番では2Iも使用した。この3ホールの第1打が、本番でのカギを握ることになりそうだ。

 前夜遅くにグラスゴー入りした石川は、9日の昼前に本番コースで初ラウンドを行った。初めて訪れたゴルフ発祥の地スコットランドで、本格的なリンクスコースを初体験。石川は「コースは自然そのままの姿でゴルフの原点だと思った。ゴルフが生まれたところでプレーできて楽しかった」と感慨深げに話した。
 冷たい風が吹く曇り空の下、コースに着くとまずはアプローチ練習を開始。ホールアウトした地元メンバーから声を掛けられ、記念写真に応じる一幕もあった。日本より10度以上低い気温にも平気な顔で、移動の疲れも見せずにコースに出た。
 石川は初出場の全英でも国内ツアー同様にドライバーで攻め抜く方針でいる。ターンベリーは15年ぶりの全英開催となるが、ここで年間50ラウンド以上をこなすコースのヘッドプロ、リチャード・ホール氏(34)は石川のスタイルに大きなリスクがあることも指摘した。
 ホール氏は1番、13番、18番ではドライバーを使わないという。354ヤードの1番パー4はフェアウエーの左サイドに4つのバンカーが並び、高く上がるドライバーショットは右から吹く海風の格好のえじきになる。13番はフェアウエーがタイトで、最後の18番は左ドッグレッグの上に3つのバンカーが待ち受ける。ラフも深く密集しており、いずれもティーショットのミスが命取りになる。
 ホール氏は「1番は特にスタートなので、多くの選手は慎重に2IやUTを使うでしょう。ただ距離が短いのでドライバーで飛ばせば、バーディーやイーグルのチャンスもある。逆にミスすればボギーもダブルボギーもある。1番でいいスタートを切れたら、石川選手は気持ちよく回れると思う」と話した。
 その1番で石川は第1打を2球続けて左に大きく曲げ、うち1球はロストボールとなった。3度目のドライバーショットは追い風にも乗ってグリーン手前10ヤードの位置まで転がる330ヤードドライブ。ホール氏の言葉通り、まさに“最初の1打”が大きく明暗を分けることが分かった。
 この日の石川は専属の加藤キャディー以外にハウスキャディーのリー・マッカラン氏(38)も起用。その進言を受けて13番と18番では2Iでのティーショットも試した。「想像してたよりはドライバーで打てるホールが多かった。1番はやっぱりドライバーでいきたい。18番だけは厳しいかも」と話した。マッカラン氏とはもう1日ラウンドをともにし、さらにコースへの知識を深めていくことになる。

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2009年7月10日のニュース