応援おおきに!朝青龍、ホームで完全復活

[ 2009年3月16日 06:00 ]

黄色の応援ビラが掲げられた花道を引き揚げる朝青龍

 大相撲春場所初日が15日、大阪府立体育会館で行われ、2場所連続優勝を狙う横綱・朝青龍(28=高砂部屋)が、小結・旭天鵬(34=大島部屋)を寄り切りで下し、白星発進した。取組中に客席で配布された200枚の応援ビラが一斉に掲げられる“ホーム場所”で、完ぺきな内容で完全復活をアピール。横綱・白鵬(24=宮城野部屋)も完勝したが、日馬富士(24=伊勢ケ浜部屋)と魁皇(36=友綱部屋)の2大関が敗れる波乱があった。

【初日取組結果


 会心の相撲で白星発進した朝青龍が、群がる観客の祝福に応えながら支度部屋に駆け込んだ。引退の文字を背負っていた2カ月前の初場所では笑顔を封印した男が、大きく目を開いておどけた。4場所ぶりに東の支度部屋に戻った感想を求められると「オレは西がいいね。西に慣れてきたから」と含み笑い。続けて「西(の横綱)は2番目だから、上を目指す方がいいんだ」と、どん欲な姿勢ものぞかせた。

 ここまで18連勝中とカモにしている旭天鵬相手に完ぺきな相撲を披露した。素早く左を差すと、頭をつけて万全の体勢を敷き、力強い右の引きつけで相手の上体を起こす。迷わず走って、相手を土俵下へ叩き落とした。緊張の初日をクリアした横綱は「立ち合いが良かった。低くてね。動きが速い」と自画自賛。さらに「初日だから燃えるね。とにかく気持ちで負けないように」と興奮気味だった。

 景気悪化と初場所後に起きた大麻騒動の影響が心配されたが、フタを開ければ今場所も朝青龍の人気は健在だった。心配された客の出足も上々で大入りを記録。結びでは新規参入の日本マクドナルド社と朝青龍がCM契約を結ぶ日本コカ・コーラ社が提供した懸賞旗が土俵を1周した。

 客席では、仕切り時に「朝青龍が好き」などと書かれた約200枚のビラが一斉に掲げられた。初場所ほどの注目度はないが、「大好き」と公言する“ホーム”大阪で温かく迎えられた。「ありがたいね」と感謝した朝青龍。引退危機から脱却し、本来の相撲で浪速のファンを魅了した横綱から、今場所も目が離せないようだ。

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2009年3月16日のニュース