田中3T!ワセダ 8連覇へ望みつないだ

[ 2008年11月24日 06:00 ]

 関東大学ラグビーは23日、秩父宮で対抗戦グループ伝統の一戦、第85回早慶戦が行われ、早大が34―17で慶大を退け、対抗戦8連覇へ望みをつないだ。早大はWTB田中渉太(4年)が3トライと活躍し、慶大には大学選手権を含め公式戦12連勝。早慶戦の通算成績は61勝19敗5分けとなった。対抗戦は帝京大が来月6日の筑波大戦で勝てば初優勝。負けた場合、早大は7日の明大戦に勝てば逆転優勝となる。

 WTB田中の活躍で、早大は対抗戦8連覇へ一縷(る)の望みを残した。前半4分と後半4分に続き、22―17で迎えた後半32分にも2人のタックラーをはじき飛ばして3つ目のトライ。50メートル5秒7を誇る「14番」が効果的にトライを重ね、春の練習試合で敗れた慶大に雪辱を果たした。
 佐賀工から鳴り物入りで入部も、1年夏に右ひざ十字じん帯を負傷。3年の昨季は「11番」でレギュラーをつかみかけたが右ひざを捻挫し、当時1年の中浜にその座を奪われた。今季は「11番」へのこだわりを捨て、「14番」でレギュラーを奪取。前夜、午前3時まで寝付けなかったほど「熱い思いがあった」早慶戦で2万2289人の観衆をうならせた。
 チームは1日に帝京大に敗れ、8連覇が厳しくなった。だが、中竹監督が「対抗戦の順位はどうでもいい」と言うように目標は大学選手権連覇に切り替わっている。この日も慶大のハイパントに苦戦したが、慌てることなく後半に突き放した。「帝京大戦では一人一人が焦っていた。あの試合で負けたことで、学ぶことができた」と田中。対抗戦の雪辱は大学選手権で果たすつもりだ。

 <慶大 負傷交代痛手>CTB竹本、ロック西川、フランカー松本が相次いで負傷交代したのが痛かった。林監督は「層が厚くないところでやられてしまった」と実力差を実感。前半27分、一時は逆転となるトライを挙げた副将のWTB出雲は「このままでは引退できない。早大を倒すことを夢見て慶大に入ったので」と涙をこらえ、大学選手権での巻き返しを誓った。

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2008年11月24日のニュース