ニッコリ北田1勝して勝手に今季終了宣言

[ 2008年9月1日 06:00 ]

優勝しカップを手に笑顔を見せる北田瑠衣

 女子ゴルフツアーのヨネックス・レディース最終日は31日、新潟県長岡市寺泊のヨネックスCC(6371ヤード、パー72)で行われ、首位からスタートした北田瑠衣(26=フリー)が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算9アンダーまでスコアを伸ばして逃げ切った。今季初優勝を飾り、ツアー通算5勝目。昨年はシード陥落の危機も味わったが、優勝者シードを早々に確保してこれで来季も安泰。早くも“シーズン終了”を宣言してしまうほど大満足の勝利となった。

 気がついたら右手を握りしめていた。外せば1打差に迫られる17番のパーパット。1・5メートルの微妙な距離を沈めた北田は「うれしくても、今までは1度もしたことがなかった」というガッツポーズをつくった。18番でもウイニングパットとなった1・5メートルのバーディーパットを決めて再び右手でガッツポーズ。「きょうはそれだけ集中できてたんだと思う」と過去4回の優勝とは違う感覚で18ホールを駆け抜けた。
 約1カ月前から左手に昨年と同じ腱しょう炎の痛みが出て、満足にショット練習ができなかった。この日も痛み止めを服用してのラウンドだったが、18ホール中16ホールでパーオンと抜群の安定感。2番から3番ホールに向かう途中で右足をくじくアクシデントもあったが、佐藤賢和キャディーに「痛い顔をすると相手を楽にするよ」と励まされて耐え抜いた。
 谷将貴コーチも「去年の優勝とは全く精度が違う。一皮も二皮もむけた感じ」と絶賛した勝ちっぷり。さあ、目指すは2勝目となるところだが、そうはいかないのが北田だ。会見では「これで(出場人数の限られた)ミズノ・クラシックもリコーカップも出られる。シードを獲れたし、もう満足。いい年でした」と勝手にシーズンを締めくくってしまった。
 昨年は左手の腱しょう炎に苦しみ、シーズン最終盤の11月に伊藤園レディースに勝ってようやくシード権を確保した。それが今年は、シーズン中盤にして来季のシード権を獲得。メジャーや日米ツアー共催大会の出場権も得たことで、満足感が大きかったようだ。
 前回の優勝時には「3年後には賞金女王」と意気込む谷コーチに「大変そうだから私は2位でいい」と言ってしかられたという。「今年はもう1回勝たせます」と力強く宣言する谷コーチ。だが、半年たっても、北田の性格は変わらない。師匠の横を「シードも獲れたし、今年はいい年だった!」と繰り返して通り過ぎると、満面の笑みでロッカールームへ消えていった。

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2008年9月1日のニュース