女子初!不動 生涯賞金10億円突破

[ 2008年7月14日 06:00 ]

9番でバーディーを奪い、ギャラリーの声援に応える不動裕理

 女子ゴルフツアーの明治チョコレート・カップ最終日は13日、北海道・札幌国際CC島松(6518ヤード、パー72)で最終ラウンドを行い、不動裕理(31=フリー)が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算9アンダーで今季1番乗りとなる2勝目を挙げた。国内女子ツアーでは通算44勝目で岡本綾子(57=ダイワボウ)に並ぶ歴代4位に浮上。優勝賞金1260万円を加え、生涯獲得賞金は史上初めて10億円の大台を突破した。有村智恵(20=日本ヒューレット・パッカード)が、7連続バーディー以上のツアータイ記録をマークするなど63で回り、2位に入った。

【最終R成績


 最終18番をパーで終えた不動は、1打差の藤田のバーディーパットが外れても表情を変えなかった。はしゃぐことも泣くこともない。名前の通り、どっしり構えた31歳は「予選落ちが続いた時にはこんなに早く勝てるとは思わなかった。また、こういうプレーができてホッとしている」と落ち着いた表情で話した。
 有村、藤田らに経験の差を見せつけた。一時、トップに立った有村は優勝を意識してから終盤でリズムを崩した。藤田は最終18番で2メートルのバーディーパットを外し、プレーオフに持ち込めなかった。
 不動にとって最大のピンチは16番パー4。第1打を木が目の前にある左ラフに打ち込んだが、そこから木越えの第2打をエッジまで運びパーでしのいだ。続く17番でボギーを叩いたが、追いすがる有村もボギーを叩いたため大きな傷にはならなかった。「優勝争いをしている最後の3、4ホールは違う疲れを感じる。あまりにも久しぶりだったので疲れた」と笑わせたが、勝ち方は体にしみついていた。藤田は「16番はさすが。精神的に凄い」と脱帽するしかなかった。
 今季、国内ツアー2勝目は不動が一番乗りだ。2戦目で1勝を挙げたが、6月には10年ぶりとなる2週連続予選落ちとなるなど、パットの不調による不振にあえいでいた。だが、芝目を気にせず、ストロークだけに集中できるパターマットで練習。「ストロークさえしっかりすれば入るという気になった」と復調した。
 これで生涯獲得賞金は史上初めて10億円を突破。2位の福嶋に約2億5000万円差をつけているように実績は飛び抜けている。04年には通算30勝を達成し、永久シードを獲得。積み重ねた44勝で大先輩の岡本綾子に並んだ(国内ツアーのみ)。ただ「試合数が増えたいい時にプロになって恵まれている」と達成感はない。どんなに賞金を稼いでも高級ホテルに泊まらず、なじみの民宿を選ぶような純朴な性格。ゴルフへのきまじめな姿勢があってこその金字塔だった。

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2008年7月14日のニュース