オグシオよ、泣いてる暇はない!

[ 2008年7月14日 06:00 ]

試合後の会見で涙ぐむ小椋(左)

 オグシオは北京五輪女子ダブルス代表対決に敗れ、五輪前ラストの実戦を涙で終えた。バドミントンの全日本実業団選手権最終日は13日、熊本・八代総合体育館で行われ、三洋電機の小椋久美子(25)潮田玲子(24)組はNEC・SKYとの決勝で、末綱聡子(27)前田美順(22)組と激突。本来の力を発揮できずに0―2で完敗し、チームも1―3で敗れて5連覇を逃した。試合後の会見で小椋は涙を浮かべ、メダル候補は五輪での巻き返しを誓った。

 小椋の顔は真っ赤で、大きな瞳に浮かんだ涙は今にもこぼれ落ちそうだった。1番手で同じ北京五輪代表の末綱・前田組と対戦したオグシオは、0―2で完敗。05年5月以来、約3年ぶりに国内のライバルに黒星を喫した。三洋電機も勢いに乗れず、5連覇に失敗。責任を感じた小椋は「大変なことをしてしまったっていう気持ち」と会見で声を絞り出した。
 団体戦で行われる今大会は、チームの勝利に貢献することはもちろん、五輪を見据えて重要な意味を持っていた。小椋は4月に腰痛で戦線離脱。一時解体されたオグシオは6月のインドネシアOPで再結成したが、初戦で敗れた。今大会は五輪前最後の実戦。手応えをつかんで終わりたかったが、潮田は「どこかに自信が持てなくて、メンタルで引いてしまった」と肩を落とした。
 オグシオの世界ランク7位に対し、末綱・前田組は8位。11日の1回戦、12日の準決勝では格下を圧倒したが、力がきっ抗する決勝では試合勘のなさが出てしまった。特に小椋の迫力あるスマッシュは影を潜め、コンビが合わずに潮田と接触するシーンもあった。日本協会の銭谷強化本部長は「小椋は余裕がなくて視野が狭くなっている」と指摘した。
 20日からは代表合宿がスタートする。日本代表の朴柱奉監督は「ゲーム練習がメーンになる」と話し、男子選手や末綱・前田組をパートナーにして、急ピッチで仕上げていく方針だ。小椋が「良くない状態からここまで来られた。ここからもう1回上がれる」と言えば、「負けを引きずっていてもいけない」と潮田。残されたわずかな時間で、オグシオが本来の姿を取り戻すことに全力を挙げる。

続きを表示

2008年7月14日のニュース