ナダルぶっつぶしたフェデラー6連覇

[ 2008年7月8日 06:00 ]

観客の祝福に応えるナダル(左はフェデラー)

 テニスのウィンブルドン選手権最終日は6日、英ロンドン・オールイングランドクラブで行われた。男子シングルス決勝で、世界ランキング2位のラファエル・ナダル(22)が、6連覇を狙った同1位のロジャー・フェデラー(26)をフルセットの死闘の末に破って初優勝した。試合時間4時間48分はこの種目の決勝では最長。全仏4連覇の“クレーの王者”ナダルは全仏以外の4大大会を初めて制した。(ロンドン・山口奈緒美通信員)

 午後9時すぎ、フェデラーのフォアがネットにかかった瞬間、ナダルは仰向けで大の字に倒れた。「ここは伝統ある特別な大会。絶対に欲しいタイトルだった」。試合だけで4時間48分、降雨による2度の中断を含めれば約7時間の死闘を制して、ウィンブルドン初優勝を手に入れた。
 最初の2セットを連取しながら、タイブレークで続く2セットを落とした。第4セットは2度のマッチポイントを生かせなかったが、気持ちを切り替えて最終セットをものにした。同年に全仏とウィンブルドンの両方を制した男子は80年のビョルン・ボルグ(スウェーデン)以来28年ぶり。わずか2週間でクレーコートから芝コートへの対応は困難を極めるが、“クレー王国”スペイン出身のナダルは常識を覆してみせた。過去2年準優勝だったウィンブルドンで万能ぶりを証明した。

 ≪芝の王者まさかの陥落≫122年ぶり2人目の6連覇はならなかった。芝の連勝も65でストップしたフェデラーは「今まででもっともつらい敗戦」と肩を落とした。絶体絶命のピンチをスーパーショットで何度もしのいだが、後半はミスが目立ち、ナダルのサーブをブレークできなかった。「彼は岩のように堅いプレーをした」と勝者を称え「何年か経ったらいい試合だったと振り返れるだろう」と前を向いた。

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2008年7月8日のニュース