スピード社仕様　３社が改良水着

アシックスが日本水連に提示した水着

　日本水泳連盟から水着の改良を求められていたミズノ、アシックス、デサントの契約３社は３０日、都内で試作品を発表した。３社ともプライドを捨てて、世界新を連発している英スピード社の水着「レーザー・レーサー」（ＬＺＲ）のコンセプトを採用。体の断面積を小さくすることで、水中での抵抗を減らす目的で、締めつけのきつい新素材を取り入れた。アシックスは２つ、デサントは３つのモデルを用意したが、ともに１つは国内の山本化学工業の複合ゴム素材を使用した。

　さらにイタリアのアリーナ社と共同で開発したデサントの１モデルは考え方だけでなく、見た目もＬＺＲに酷似。ベースとなる軽い織物素材の上に、抵抗の大きい胸部などにはウレタンフィルムを張った。アリーナマーケティング部の田山英明部長は「ＬＺＲの優位性を取り入れた。手法に違いはあまりないと思う」と説明。スピード社の特許については「公開されている部分はすべてチェックした。申請中のものがあるかは分からない」とギリギリのところで勝負した形だ。水連は６月１０日の常務理事会で契約３社の水着しか着用できない現在の枠組みを検討する。代表選手がテストするジャパンオープン（６～８日、辰巳）で３社の改良の成果が試される。