八百長訴訟に藤田憲子さん登場

[ 2008年5月31日 06:00 ]

 日本相撲協会と北の湖理事長(元横綱)が、八百長疑惑記事を掲載した週刊現代の発行元などを相手に起こした民事訴訟の弁論準備手続きが30日、東京地裁で行われ、北の湖理事長のほかに、被告側の証人として故二子山親方(元大関・貴ノ花)の元夫人でタレントの藤田憲子さん(60)の出廷が認められた。10月16日の弁論で証人尋問を受ける予定だが、元親方のおかみさんの出廷は角界に新たな波紋を呼ぶ可能性も出てきた。

 この日の準備手続きでは北の湖理事長を証人として申請した原告側に対し、被告側は原稿を執筆した武田頼政氏のほかに元小結・板井の板井圭介氏、そして故二子山親方の元夫人である藤田憲子さんを“登場”させた。双方が申請を認めたため、10月16日の弁論で4人が法廷で尋問されることが決まった。
 問題となっているのは週刊現代が昨年の3月10日号で北の湖理事長が八百長に関与していたと報じた記事だ。同誌によると理事長が現役時代の1975年春場所千秋楽の優勝決定戦、大関・貴ノ花に敗れた相撲で八百長を行ったとされている。これを受けて、北の湖理事長と日本相撲協会が原告となり、週刊現代の発行元などに総額約1億2000万円の損害賠償と謝罪広告を求めた訴訟を起こしている。原告側の吉川精一弁護士は藤田さんの証人申請に関し「これまでの準備書面の中に問題となった75年春場所千秋楽後の祝賀会の会場で、貴ノ花が“お金を用意してくれ”と、部屋関係者に言ったという記述があった。それを裏付けるための証人でしょう」と推測した。
 日本相撲協会は昨年春、週刊現代の八百長疑惑報道を受け、3件の民事訴訟を起こした。北の湖理事長、横綱・朝青龍らが原告となった訴訟は朝青龍が力士の代表として10月3日に出廷することが決定している。
 自身の出廷に関し、北の湖理事長は「社会常識からしても、原告なのだから出廷するのは当然。訴訟を起こした時から考えていた。(八百長は)ないものはないと、はっきりと主張するだけだ」と話した。だが、かつて八百長を内部告発した板井氏に加え、元親方夫人の登場。事態は一転して緊迫感を増してきた。

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2008年5月31日のニュース