日本代表選手の着用水着は完全自由化も

[ 2008年5月30日 06:00 ]

 日本水泳連盟が、北京五輪で代表選手が着用する水着を完全自由化する可能性が出てきた。水連は30日に、水着の改良を求めたミズノ、デサント、アシックスの契約3社から改良品のヒアリングを行う。その後は選手が水着のテストを行い、契約社に英スピード社を加えるかどうかを来月10日の常務理事会で決める予定だった。

 だが、上野広治競泳委員長は29日、代表合宿が行われている東京・国立スポーツ科学センター(JISS)で「まず3社の水着を試し、その後に3社以外もテストさせたい。ナイキやアディダスも問題ない」。世界新を連発しているスピードの「レーザーレーサー」だけでなく、他メーカーの新型水着のテストも認める意向を明言した。
 背景には、レーザーレーサー登場後、海外でも開発競争が激しくなっている事情がある。ドイツのアディダス社はハイテク素材を使用した新型水着の開発を表明。「締め付けの強度は最新水着で最も高い」(研究担当者)水着は、スタートタイムで2・8%、ターンで3・8%短縮される研究結果を示したという。米国のナイキも既に新型水着を投入し、北島のライバル、ハンセン(米国)らがレースで試着。「レーザーレーサー」を超える水着が登場する可能性はまだ残されている。
 上野委員長は「(スピード社を加えた)4社になるかもしれないし、オープンになるかもしれない」と話す。最終結論へ大詰めを迎えた水着問題に、オープン化という新たな選択肢が浮上した。
 ≪山本化学工業製 新素材水着で効果≫複合特殊素材メーカーの山本化学工業(大阪市)はこの日、同社製の新素材を使ったニュージーランドのメーカーの水着のテストを大阪・吹田市の関大で公開した。4人の大学生が普段使っている水着とのタイム差を比較し、全員が新素材の水着の方が速かった。日本水連と契約する3社に新素材を提供しているが、提出期限前日になっても3社から連絡はない。同社の山本富造社長は「素材には自信を持っている」と話した。

続きを表示

2008年5月30日のニュース