天敵投げ捨てた!白鵬1敗ピタリ

[ 2008年3月20日 06:00 ]

安馬(手前)を豪快な上手投げで破った白鵬

 大相撲春場所11日目は19日、大阪府立体育会館で行われ、白鵬が先場所まで3連敗を喫していた安馬に雪辱を果たした。相手にもろ差しを許しながらも左からの力強い上手投げで1敗を守った。ライバルの朝青龍も千代大海を下手投げで下して全勝をキープ。1敗で追っていた平幕の栃煌山が敗れ、優勝争いは先場所に続いて両横綱のマッチレースの様相を呈してきた。

【11日目結果
星取表


 苦手意識は消えていた。先場所まで3連敗中の安馬戦。白鵬は相手の鋭い踏み込みに1度はもろ差しを許したが、左まわしを引いて出足を受け止めると、体を開きながら土俵下まで投げ飛ばした。「いいタイミングで投げにいけましたね。同じ相手に負けられないという意地はあった。(安馬を)投げ捨てて(3連敗を)振り払いました」。支度部屋での表情に満足感があふれた。

 土俵下で結びの一番を見届けた貴乃花審判長(元横綱)が「(白鵬は)先場所より調子がいい。風格もある」と評価した充実の相撲内容。それを支えているのが「専属料理長」の石井喬さんだ。石井さんは大阪の三井アーバンホテルの元料理長で、後援会の紹介で今場所から部屋のちゃんこ場で腕を振るっている。中華、和食、フランス料理など何でもOKで、育ての親の熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)も「ご飯を茶わんで最低3杯は食べている。腰の状態も安定しているし、精神的にも落ち着いている」と満足げに話した。

 目標とする双葉山のDVD観賞も刺激になっている。場所前に相撲協会の大阪の事業後援をする親睦団体「東西会」から支度部屋で着る浴衣を4着贈られた。その時に出席者から「双葉山は毎日新しい浴衣を着ていた」と教えられ、以前は通しで着ていたものを毎日クリーニングに出して、きれいなものを着るように心掛けている。土俵上の所作だけでなく日頃の生活態度も大横綱を目標に精進している。

 この日、1敗で並んでいた栃煌山が敗れ、優勝争いは朝青龍と白鵬の両横綱の争いになった。「早い段階で1敗して、よくここまで来た。これからが大事になる」。自己記録更新の4連覇、そして逆転Vへ白鵬が勢いを加速させた。

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2008年3月20日のニュース