遼くん“特例付き”5年4億円契約

[ 2008年1月26日 06:00 ]

クラブを手にニッコニコの遼くん

 石川遼(16)は25日、スポーツ用品メーカー「ヨネックス」とクラブやウエア、サンバイザーなどの用具総合契約で合意し、都内のホテルで調印と発表会見を行った。5年間で総額4億円(金額は推定)とされる超大型契約。今季に限って他社のクラブも使用できるという“特例”まで付いたものとなり、プロ初戦となる全英オープン・オーストラリア予選(2月5日、シドニー)に向けてこれ以上ない戦闘態勢が整った。

【PGAグッズ】

 10社近いオファーの中から石川が選んだのは、幼い頃から慣れ親しんだクラブのメーカーだった。昨年末から試打に試打を重ねて「自分に一番いいスイングをさせてくれる」と自らの感覚を最後の決め手にした。
 ヨネックスには小学4年生の時からサポートを受けており、アイアンは現在までずっと使っている。ドライバーも中2まで同社製を使っていただけに愛着もあった。28日のオーストラリアへの出発を前に契約を済ませ、石川は「理想の形で契約ができた。クラブの準備も完ぺきに整った」と確信に満ちた表情だった。
 契約期間や金額も破格だが、極めて珍しいのは今年に限り他社クラブの使用が認められるということ。ウエッジ2本、パター1本を除いた「ドライバーを含む11本以上」というクラブ契約を結びながらも、14本すべて他社製でも構わない。同社関係者も「他競技を含めて、こういう契約は初めてです」と話した。
 同社の黒子武常務取締役(59)は特例を認めた理由を「他社のデータもすべてうちにフィードバックできる。結局はプラスになる」と説明。不調の時などは他社のクラブも使って問題点を見つけ、そこでの要求をヨネックスのクラブに反映する。お互いにプロ1年目は、究極の石川モデルをつくるための準備期間ととらえている。
 異例の契約ではあるが、その価値は早くも表れた。この日のヨネックスの株価は前日比で94円高、12・45%増と急騰。早くも“ハニカミ景気”が到来。さらに、同社のCM出演が決まっており、来月オーストラリアで撮影を行い、3月から全国でオンエアされる。現在のシェアは5%ほどだが、石川を前面に押し出したPRで一気にシェア拡大をもくろむ。石川も「アマチュアでは契約というものがなかった。本当にプロになったんだとすごく感じました」とうれしそうに話し、積極的にPR活動にも貢献していくことを約束した。

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2008年1月26日のニュース