土俵が白熱し過ぎ?観客5人倒れる

[ 2008年1月21日 06:00 ]

 大相撲初場所8日目は20日、両国国技館で行われ、今場所4回目の満員となった館内で、わずか25分間に観客5人が立て続けに気分を悪くして診療所に運ばれる前代未聞のハプニングがあった。超満員の館内の熱気と白熱した土俵が影響したようだが、朝青龍フィーバーの余波がついに観客にも及んだ。幕内は横綱・白鵬が小結・琴奨菊を下し、昨年名古屋場所以来3場所ぶりの全勝ターン。1敗は朝青龍と旭天鵬の2人となった。

 報道陣と談笑しながら帰路を急ぐ朝青龍が西岩親方(元幕内・隆の鶴)とすれ違った直後だった。笑顔の横綱が一瞬表情を曇らせ「(親方が)担架持っていたね。人が倒れたのか?」とけげんそうな表情を浮かべた。連日、何かが起こる朝青龍劇場。悪い予感はズバリ的中した。
 朝青龍が土俵上で死闘を演じていた頃、警備室は大混乱に陥っていた。結び前の白鵬の取組前後から館内で体調不良を訴える人が続出。警備担当の親方が対応に追われ、担架が足りなくなる事態に見舞われていたのだ。
 館内にある相撲診療所には午後5時55分から6時20分までに5人の患者が運び込まれた。内訳は女性3人、男性2人。泥酔の患者から脳貧血を訴える人まで症状はさまざまで、全員点滴などの治療を受けて帰宅した。体調不良で観客が診療所に運ばれるケースは、これまでは場所中に5人程度だった。それだけに吉田診療所長も「お酒を入れていることと、館内の熱気が影響しているのでしょう。きょうは1場所分の方がいらっしゃいました」と驚きの様子を隠しきれなかった。
 この日は、当日売りの358枚を除いたチケットが前日までに完売。当日券も午前9時35分には売り切れるなど、大盛況だった。館内の温度は24度に設定されているが、超満員の館内は、熱気で蒸し風呂状態。ある親方が北の湖理事長(元横綱)に改善を求めた矢先に騒動が起きた。
 異常な熱気の具体的な原因は解明されておらず、警備担当の伊勢ノ海理事(元関脇・藤ノ川)も「外が寒くて館内が暑いから、その温度差もあったのでしょう。前例がないですね」と渋い顔。それでも「それだけ土俵が白熱していることでしょう」と前向きにとらえるしかなかった。1週間たっても土俵外はトラブル続き。朝青龍フィーバーはまだまだ収まりそうもない。

続きを表示

2008年1月21日のニュース