1敗は2人 白鵬走る無傷の8連勝

[ 2008年1月20日 19:01 ]

琴奨菊を引き落としで下し、勢い余って乗り掛かる白鵬

 大相撲初場所8日目は20日、両国国技館で行われ、3連覇を目指す横綱白鵬は1敗の小結琴奨菊を引き落とし、8連勝で勝ち越した。横綱朝青龍は栃乃洋を上手投げで退け、勝ち越しへあと1勝とした。

 大関対決は魁皇が琴光喜を寄り切って5勝目。琴光喜は3連敗で3勝5敗となった。かど番の大関琴欧洲は稀勢の里を寄り切り、5勝3敗とした。大関千代大海はこの日から休場。関脇安馬は4連勝で5勝目を挙げた。
 全勝の白鵬を朝青龍と平幕の旭天鵬が1敗で追う。十両は北太樹が1敗で単独トップに立った。

 <負傷の琴奨菊を心配…>横綱4場所目ともなれば、自分のペースを完全につかんだのだろう。取り口はもちろん、表情や振る舞い、そして言動。いい雰囲気を醸し出してきた白鵬が、ストレートで勝ち越しを決めた。
 2日目から6連勝と波に乗る琴奨菊を全く問題にしない。先場所は初日に不覚を取り、しかもこの日は立ち合いでじらされても平常心を保った。「今日は負けないという強い気持ち。思い通りの相撲が取れた」。人懐っこい笑みを浮かべながら、視線は鋭い。右で張った立ち合いから突き、押しでどんどん前進。琴奨菊を押しつぶすような引き落としで退けた。
 全勝で前半戦を折り返すのは、新横綱だった昨年名古屋場所以来。その話題をなかなか振らない報道陣に「だれも聞いてくれないからなあ。一応勝ち越しですからね」と笑わせた後、「横綱の責任を果たさないと」と口元を引き締める。ケガをした琴奨菊を「大丈夫かな」と優しく気遣うところは、22歳の好青年だ。
 初の3連覇へひた走る横綱に対し、北の湖理事長(元横綱北の湖)は「ほかの人に攻めるところはない感じだ」と満点の評価。朝青龍ばかりが注目される今場所だが、こちらの横綱の充実ぶりも見逃せない。「優勝争いを引っ張る。その強い気持ちだけです」と頼もしい白鵬の存在感が、日に日にクローズアップされていく。

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2008年1月20日のニュース