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カズ 福島の地で「3・11」 自身と重なる復興への思い「夢のある、喜び合えるゴールを」

[ 2026年3月12日 05:00 ]

東日本大震災の黙祷をするカズらJ3福島のイレブン(撮影・高橋佳寿)
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 J3福島の元日本代表FW三浦知良(59)が東日本大震災から15年となった11日、福島市内での練習前にチームメートとともに黙とうした。練習後に取材に応じ、11年3月29日の復興支援チャリティーマッチで決めた鎮魂のゴール&ダンス、そして福島の地で迎えた3・11への思い、サッカーが持つ力について語った。

 カズは静かに目を閉じた。決して忘れることのない「3・11」。東日本大震災から15年がたった。福島県内も未曽有の災害に見舞われた。練習前、カズはチームメートと輪になって黙とうした。「この日に福島でピッチに立てる幸せ、喜びをかみしめながらグラウンドに立ちました」。神妙な面持ちだった。

 1週間前、双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館を訪ね、鈴木勇人社長(53)からはクラブの歩みを聞いた。設立からわずか1カ月後に震災に見舞われ、存続すら危ぶまれた。だがその後、チーム関係者が避難所で出会った存続を願う少女の声、そして11年3月29日、東日本大震災復興支援チャリティーマッチでカズが決めた鎮魂のゴール&ダンスに勇気をもらい、命がけで存続に努めたという。

 今年、福島に加入したカズは今でも当時のゴールについて声をかけられる。「福島に来て皆さんに喜ばれたと改めて耳にする。自分の中でも重いゴールになった」と話す。思えばカズのサッカー人生も順風満帆ではなかった。ドーハの悲劇、W杯フランス大会直前での代表落ち。それでもはい上がり、前を向いてきた。その姿勢は震災を乗り越えてきたクラブとも重なる。

 カズは言う。「復興とともに乗り越えてきた歴史を聞き、このチームの重要性を感じ、いい緊張感を与えてもらった」。8日のホーム開幕戦では59歳10日でピッチに立ち、大歓声を背に受けた。「夢のある、皆で喜び合えるゴールを挙げられたら。サッカーで皆さんに少しでもいい時間を過ごしてもらえるように頑張る」。3・11に思いをはせ、新たな誓いを立てた。

 ◇東日本大震災復興支援チャリティーマッチ 震災直後の11年3月29日、大阪・長居で開催され、当時44歳のカズはJリーグ選抜の一員として日本代表との試合に途中出場。0―2の後半37分、DF闘莉王の落としたボールに走り込んでゴール。直後、天に突き上げた右手を震わせながらカズダンスを踊った。敵将ザッケローニ監督も「失点して満足したのはこれが初めて」と話した一撃は日本中に希望の光をともした。

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