涙涙…水戸J1初昇格!逆転J2初Vで悲願、史上最遅26季目 長崎は8年ぶり、5発大勝・千葉はPOへ
明治安田J2リーグ最終節 水戸2―0大分 ( 2025年11月29日 ケーズデンキスタジアム水戸 )
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J2最終節は各地で行われ、2位の水戸が大分を2-0で下し、クラブ史上初となる来季のJ1昇格を決めた。試合終了後、首位・長崎が引き分け、勝ち点70で並んだが得失点差で上回り、逆転で初優勝が決まった。後半2分、FW多田圭佑(23)が頭で押し込み先制。同30分にはMF山本隼大(22)の鮮やかなミドルで追加点を奪った。00年のJ2参入から26シーズン目でのJ1初昇格は、昨季の岡山の16年を上回る最も遅い記録となった。徳島と敵地で1-1で引き分けた長崎は8年ぶりのJ1復帰。千葉は今治に5-0の大勝したが3位のままとなり、昇格プレーオフ(PO)に回ることとなった。
スタジアムが歓喜で包まれた。水戸の選手らはピッチで涙を流して、喜びを爆発させた。森直樹監督は胴上げされ、3度宙を舞った。その後、長崎の結果が場内アナウンスされ初優勝が決まると、再びスタジアムが沸いた。
後半2分、ペナルティエリア内でボールを拾ったMF斎藤が右サイドを突破し、マイナス気味のクロスを供給。ファーサイドに詰めたFW多田が頭で押し込み、先制点を奪った。
同30分にはMF山本がペナルティエリア外から右足を振り抜き、大きな追加点を挙げた。
入れ替わりの激しいJ2で、00年の参入から26年間戦い続けてきた。J1に昇格することはできずとも、J3への降格も一度もない。歴代最多の通算1103試合目。「J2の番人」ともやゆされてきた弱小クラブが、ついに悲願をかなえた。
当事者たちでさえも予想できない大番狂わせだった。2桁順位が定位置で、過去最高は長谷部茂利監督(川崎F)が率いた19年などの7位。昨季まで2年連続で残留争いをしていた。開幕前、クラブが掲げた目標も「6位以内でプレーオフ進出」だった。
風向きを変えたのは、昨季降格危機にあったチームを立て直した森直樹監督だ。現役時代を含めて水戸在籍は20年以上。昨年5月に就任すると、育成型クラブとして「成長」に目を向けがちだったチームに「勝負」にこだわる姿勢を説いた。スローガンは「やりきる・走りきる・勝ちきる」。対人メニューを増やし、練習の強度を高めた。11年から計5人の監督を支えてきたコーチ経験も生かし、負け癖が染みついていたチームを戦う集団に変ぼうさせた。
35人の所属選手に元日本代表や外国籍選手はいない。J1実績のある選手もごくわずか。それでも堅守速攻を徹底し、水戸納豆のように粘り強く戦うスタイルが、ハードワークをいとわない選手たちにはまった。前節までの失点数34はリーグ2番目に少ない。シュート総数458本はリーグ13位の数字でも、シュート決定率11・6%は同3位。少ないチャンスをものにし、勝負強く接戦を制した。5~6月にクラブ最長の8連勝を記録し、初めて首位に浮上。前半戦を終え、目標は「J1昇格」に上方修正された。
8~9月にかけては5戦未勝利と足踏みが続いた。残暑が続いた9月25日。選手、フロントスタッフ、アカデミースタッフらクラブに関わる総勢100人近くが一室に集結。決起集会を開き、それぞれの立場から思いをぶつけ合った。一体感に包まれたチームは再び上昇気流に乗った。前々節、前節は大宮、長崎に敗れて今季初連敗。勝てば昇格が決まる状況で2試合続けての足踏みだったが、最終節まで駆け抜けた。
資金難からクラブ存続の危機に立たされた時期もある。選手の総年俸2億5000万円は大迫勇也(神戸)らJ1トップ級の一人分にも満たない。助っ人ゼロでの昇格は史上初。雑草軍団が日本サッカー史に刻んだジャイアントキリングは、奇跡と呼ぶにふさわしいものだった。
▽水戸ホーリーホック 94年にFC水戸として創設され、茨城県社会人リーグ4部に参戦。97年に廃部が決まったプリマハム土浦FCと合併して現クラブ名になった。ホーリーホックは英語で「葵」の意味で、徳川御三家の水戸藩の家紋である葵が由来。エンブレムは葵と2代目水戸藩主・徳川光圀の通称名「子龍」がモチーフにされた。ホームタウンは水戸市を筆頭にひたちなか市、笠間市、那珂市、小美玉市、茨城町、大洗町、城里町、東海村、日立市、常陸太田市、北茨城市、常陸大宮市、高萩市、大子町の15市町村。18年に城里町の廃校を活用し、クラブハウス「アツマーレ」が完成した。本拠地はケーズデンキスタジアム水戸(収容人数1万2000人)。クラブカラーは青。
▽在籍した主な選手 本間幸司(99~24年)、田中マルクス闘莉王(03年)、吉原宏太(09~12年)、塩谷司(11~12年)、鈴木隆行(11~14年)、市川大祐(12年)、船谷圭祐(13~18年)、林陵平(17年)、前田大然(17年)、伊藤涼太郎(17~18年)、前寛之(18~19年)、浅野雄也(19年)、小川航基(19年)、藤尾翔太(21年)
▽オール日本人 水戸は24年から外国籍選手が不在。日本人選手のみのチームがJ1昇格するのは史上初。
▽最遅昇格 00年のJ2参入から26シーズン目でのJ1初昇格。昇格までの年数では昨季の岡山の16年を上回る最も遅い初昇格となった。最短昇格は14年松本の3年。J1所属は岡山に続いて通算34クラブ目となる。
▽例外適用 本拠地ケーズデンキスタジアム水戸はJ1基準の収容1万5000人を満たしていないが、新スタジアム構想があることから例外適用でJ1ライセンスが交付された。28年11月末までに具体的なスタジアム整備計画をJリーグ側に提出し、30年11月末までに工事を完了することが条件。34―35年の開幕前日まで延長が認められる場合もある。
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