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横浜M J1残留決めた!オリ10の意地 涙の喜田主将「苦しかった」選手間MTGで名門使命を再認識

[ 2025年11月10日 05:00 ]

明治安田J1リーグ第36節   横浜M 3ー0 京都 ( 2025年11月9日    サンガS )

<京都・横浜M>前半、先制ゴールを決め喜ぶ横浜M・谷村(手前)
Photo By 共同

 明治安田J1リーグは各地で5試合が行われ、横浜F・マリノスは敵地サンガスタジアムで京都に3―0で快勝し、2試合を残して残留を決めた。一時は最下位に転落するなど初降格も現実味を帯びた中、今季途中にコーチから昇格した大島秀夫監督(45)がチームを見事に再建。一時は残留圏内17位に最大勝ち点差10をつけられたどん底から主将のMF喜田拓也(31)が中心となって立ち直った。

 普段は冷静な主将も感情を抑えきれなかった。試合終了の笛が鳴ると、喜田は重圧から解放されたかのようにピッチに膝をつき、涙を流した。今季初の3連勝でJ1残留が決定。4月に23年ぶりの単独最下位に転落するなど苦しみ抜いた末の残留に取材エリアでは「長かったし、苦しかった…」と言葉を詰まらせながら、こう続けた。

 「“残留を達成したくらいで涙を見せるな”と自分で思うけど、本当に毎日が戦いだったし、このクラブのためにピッチ内外で戦わないといけないことが多くて…。それだけ懸けてきた自負もあるし、大きなものを背負ってきた自負もある。歴史や伝統を守ることは必要なことだった」

 攻守がかみ合った。前半35分、FWクルークスの左足FKにFW谷村が頭で合わせて先制。今夏に新加入した2人がチームに勢いをもたらすと、後半27分にMF天野、同アディショナルタイムにFW植中が追加点をもぎ取る。GK朴は好セーブ連発。守備陣は21年以来4年ぶりとなる3試合連続クリーンシートを決めた。

 93年Jリーグ発足時に加盟した「オリ10」で、鹿島とともに降格経験がない屈指の名門。だが今季はフロントの迷走もあり、かつてない危機に陥った。4月から5月にかけて泥沼の7連敗。今季限りでの退任に追い込まれた西野スポーティングダイレクターが招聘(しょうへい)したイングランド出身のホーランド氏、キスノーボ前監督はいずれも解任となった。復活のきっかけとなったのが、大島コーチの6月の監督昇格。現場からの強い要望もあり、クラブの伝統を知り、選手からの信頼も厚い人物としてチーム再建を託された。

 シーズン途中には攻撃の核だった昨季得点王のFWロペスらブラジル人FWトリオがそろって移籍。その中で指揮官は超攻撃的サッカーを封印し、ロングボールや相手背後を狙う戦術を織り交ぜるなど試行錯誤しながら徐々にチームを立て直した。残り5試合となった先月中旬、喜田を中心に約30分間の選手ミーティングを実施。主将が発言者を指名し、熱い言葉が飛び交った。「このクラブを落としてはいけない!」。名門の使命を全員が再認識した。

 2度の監督交代に加え、親会社である日産自動車の経営不振に伴う身売り騒動など、ピッチ内外で揺れた激動のシーズン。育成年代から横浜M一筋の喜田は「僕一人が頑張ったわけではない。多くの仲間が助けてくれた。クラブに関わる全ての人が助けてくれた。トップカテゴリーの権利を勝ち取ったこのメンバーは特別な仲間」と胸を張った。(滝本 雄大)

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