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【井原正巳 我が道・番外】勝利の女神だった愛犬リック 家族を癒やしてくれるクー

[ 2025年7月14日 07:00 ]

2代目の愛犬クーと自宅でくつろぐ
Photo By 提供写真

 家族の一員として欠かせなかったのが、ペットの犬だ。選手時代も指導者になってからも、いつも癒やされていた。最初に飼ったのが大型犬のゴールデンレトリバーで、横浜マリノスが優勝した1995年(平7)10月に我が家へ来た。妻が「一戸建てで犬を飼いたい」と言っていて、新居に引っ越したタイミングで飼うことになった。

 私の実家でも犬とネコを飼っていたので、元々ペットには親しんでいた。当時はリードもつけず、犬が田畑を自由に走り回り、私も一緒に走って遊んだ思い出がある。ゴールデンレトリバーはメスだったが、「呼びやすい名前に」と、リックと名付けた。自宅の周囲を散歩したり、時には当時の獅子ケ谷の練習場に連れて行って一緒に走ったりした。頭が良くて、新聞受けから新聞を持ってきてくれる。休みの日は一緒に出かけることもあり、オフにはペットと泊まれるホテルを探して旅行に行ったこともあった。海や川にも行ったが、泳ぎがうまく、海に入るのも怖がらなかった。選手時代は、帰宅するといつも出迎えてくれて、グラウンドとは違う空気が味わえて、いい気分転換になった。しかも、リックが我が家に来た直後にチャンピオンシップでヴェルディ川崎を破って日本一になり、「リックが優勝に導いてくれた」と思っている。さらに数年後にW杯にも出場できたので、私にとっては勝利の女神だった。晩年は白内障になってかわいそうだったが、残念ながら2006年に死んだ。人間でいえば80~90歳ぐらい。妻もリックの本を出すなど、我が家に安らぎを与えてくれる大切な家族の一員だった。

 その後しばらくペットは飼わなかったが、子供も大きくなって、「犬が欲しい」と言っていたので、5年ぐらい前に知人からメスのトイプードルを頂いた。クーと名付けて家の中で飼い、大型犬とは違った可愛らしさがある。今年は現場から離れているので、クーと遊ぶ時間が増えた。クーは我が家に来たばかりの頃、ソファの上からジャンプして床に降りて、足を骨折した。先日も大好きなボール遊びをしていてダッシュした時に、いきなりキャンキャンと鳴いて足を引きずりだした。獣医に診てもらうと、人間でいえば前十字じん帯にあたるところが切れていて、手術を受けた。患部を固定し、足を上げて歩いていたが、ようやく普通に歩けるようになった。

 寂しがりやで、誰かいないとクンクン鳴き出す。それが可愛い。夜も私と一緒に寝ているほどだ。子供たちも可愛がっていて、ペットがいることで家族が和むし、命の大切さをみんなが学ぶことができる。妻や子供たちときつい言葉で話していると、間に入って制止してくれる。誰にでも同じ接し方をして、空気を和らげてくれる。これからもクーに癒やされながら、私も頑張って仕事をしたいと思っている。

 ◇井原 正巳(いはら・まさみ)1967年(昭42)9月18日生まれ、滋賀県出身の57歳。守山高から筑波大を経て横浜Mの前身の日産入り。磐田と浦和でもプレー。アジアの壁と言われ、大学2年生の時に日本代表入り、ドーハの悲劇とジョホールバルの歓喜を経験、98年W杯フランス大会に主将として出場。代表通算122試合。引退後は北京五輪代表コーチ、柏コーチ、福岡監督、柏監督を務めた。現在は解説者、6月にU―20Jリーグ選抜監督も務めた。7月から韓国2部・水原コーチ。

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