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38歳の元日本代表FW渡邉千真がピッチに立ち続ける理由「どんなカテゴリーでもゴールを取りたい」

[ 2025年4月5日 05:30 ]

新シーズンに臨むSHIBUYA CITY FCの渡邉千真
Photo By スポニチ

 関東サッカーリーグ2部に昇格したSHIBUYA CITY FCに所属する元日本代表FW渡邉千真(38)が、プロ17年目のシーズンを迎える。リーグは5日に開幕。6日にヴェルフェ矢板との開幕戦(11時、リアンビレッジ矢板)に臨む。このほどスポニチ本紙の取材に応じ、昨シーズンの振り返りや現役への思いなどを語った。(取材=坂本 寛人)

 J1で積み重ねた数字は歴代13位の104得点。J屈指のストライカーとして活躍した渡邉は昨季、J3松本山雅からSHIBUYA CITY FCに加入した。舞台はJ1から数えて7部相当にあたる東京都社会人リーグ1部。毎日練習場を転々とし、仕事をしながらサッカーに情熱を注ぐチームメートとともに、刺激あふれるシーズンを過ごした。

 「最初は戸惑いもあったし、慣れない部分も多かった。それでも環境を言い訳にすることなく、サッカーを続けたいという気持ちで、縁があってこのクラブに来た。仲間がサッカーをしながら仕事に励む姿はすごく刺激になった」

 練習は午前中にみっちり2時間。グラウンドの使用時間を目いっぱい使う。練習前はグラウンド外にマットを敷き、ストレッチを欠かさなかった。リーグ戦は全17試合に出場し、3得点の成績だった。

 「満足はしていないし、もっともっと取れたなという思いもある。でも大きなケガもなく、ほぼフルで練習できて試合に絡めたので、充実していたとは思う」

 昨年11月。都リーグ1部を2位で終え、関東リーグ昇格を争う関東社会人大会で優勝した。横浜Mでプロデビュー後、強豪チームを渡り歩いてきたが、意外にも自身初のタイトル獲得だった。歓喜の瞬間を迎えたのは日産フィールド小机。くしくも、横浜Mの本拠地・日産スタジアムの敷地内にある会場だった。

 「僕がプロとしてキャリアを始めたクラブのスタジアムが隣にあって、すごく懐かしかった。昇格を決めた時のグラウンドに立てなかったのは少し心残りだったけれど、クラブの目標であった昇格に自分も少なからず貢献できたと思う。本当に昇格のためだけに戦ってきたので、それが達成できて良かった」

 シーズン後、クラブから契約延長のオファーを受けた。38歳。現役続行への迷いはなかった。

 「やっぱり、純粋にサッカーが大好き。どんなカテゴリーでもゴールを取りたいという思いがある。それが原動力となり、今の僕を突き動かしている」

 一方で、選手だけでなく多様な顔を持つ。昨季から指導者として週に3回、小学生にサッカーを教えている。先月のFC東京―川崎Fの多摩川クラシコでは、プロの試合で初の解説も務めた。ビネガードリンクをメーカーと共同開発するなどビジネスにも関心がある。後進のためにも、独自のキャリアを築いている。

 「サッカー以外のところでも挑戦できるのなら、やった方がいいと思う。自分の幅も人脈も広がる。サッカー人生が終わった後の方が長いので、将来のことも考えると、いろんなことに挑戦してもいいんじゃないかなと。これからもJから下のカテゴリーに落ちてくる選手もいると思う。一つの形にとらわれず、自分がこれからの選手にいい影響を与えられればいい」

 SHIBUYA CITY FCは渋谷からJリーグ入りを目指す新興クラブだ。「NEW ERA(ニューエラ)」とオフィシャルサプライヤー契約を結び、プロモーションやSNSの発信にも力を入れる。クラブの未来に大きな可能性を感じているからこそ、今季もその存在をより広く、多くの人にアピールしていくつもりだ。

 「まず個人的にはケガをしないでフルで試合に絡みたいと思うし、このクラブのためにピッチで戦いたい。少しでも多くゴールを取って勝利に結びつけたい。そしてクラブの魅力を自分なりに伝えていければいい。このクラブの魅力を広げていけるように、クラブに貢献できるようにやっていきたい」

 ◇渡邉 千真(わたなべ・かずま)1986年(昭61)8月10日生まれ、長崎県出身の38歳。国見高2年時に1学年上の平山相太、兵藤慎剛らと全国高校選手権で優勝。早大を経て09年に横浜M入り。同年に新人最多記録を更新する13得点を挙げ、新人王に輝いた。その後はFC東京、神戸、G大阪、横浜FC、松本でプレー。J1通算381試合104得点。日本代表は10年1月のイエメン戦でデビューした。1メートル82、79キロ。利き足は右。

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