【蹴トピ】宮阪政樹氏 第二の人生、スカウトで 古巣・FC東京に恩返し
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山形や松本などでプレーした宮阪政樹氏(34)が、今季からFC東京のスカウトに就任した。J2生活が長かったものの、隠れた名手として注目を集めたキッカーだった。昨季限りで12年間の現役生活を終え、第二の人生はアカデミー時代を過ごした古巣に帰還。選手ではかなわなかったエンブレムを身につけ、次代を担う人材発掘に力を注いでいる。(坂本 寛人)
引退の時は、いつか必ず訪れる。そして現役生活よりもはるかに長い、セカンドキャリアが始まる。昨季終了後、遠藤保仁氏、小野伸二氏をはじめ50人以上のJリーガーがピッチを去った。FC東京スカウトに転身した宮阪氏もその一人だ。
正確無比なキックを誇るボランチとして、プロ12年間でJリーグ通算347試合に出場した。昨オフ、J3長野を契約満了に。「あと1年」と現役の道を模索したが、Jクラブからオファーは届かなかった。「選手生活は平均で4、5年。その中で12年もできたのは幸せなことだった」。年末に自ら踏ん切りをつけた。
第二の人生は、異例の帰還とも言える。中学、高校の6年間をFC東京の下部組織で過ごした。トップチームの一員になることを、当然の目標にしてきた。だが明大を経てプロ入りした現役中はJ2生活が長く、遠い存在だった。思いがけない形で古巣からオファーが舞い込んだのは、引退を決めた直後のことだ。
「ウチでやらないか?」。電話で引退報告を受けた強化幹部の石井豊氏は、そう声を掛けた。同じ明大出身で、昔から気に掛けていた後輩だった。宮阪氏のようにトップ在籍歴がないアカデミーOBが、強化スタッフとして戻ってくるケースは「初めてかもしれない」という。それでも誠実で物腰柔らかい人格者であることは、よく知っていた。「“この人はFC東京だね”と思わせるには一番の人材。だからずっと待っていた」と明かす。石井氏も長く携わるスカウト業務は、選手が最初に出会うクラブの窓口でもある。「彼の人柄や人への接し方。スカウトが適任だと思った」と託した。
ユース卒業から16年。憧れのエンブレムを前にして、宮阪氏も決断に時間はかからなかった。「いつか東京に帰りたいという思いを常に持って、選手生活を送っていた。サッカー選手としてはかなわなかったけれど、やっぱり東京で仕事をしたい思いはあった」。元々は指導者に興味があり、B級ライセンスや大型免許を取得するなど20代後半から準備を進めていた。他クラブからコーチの誘いも受けたが、古巣への思いは強かった。「育てていただいたクラブ。今度はクラブの一員として、何を恩返しできるか。味スタのピッチで飛躍してくれる選手を見つけ、リーグ優勝の手助けをするようなことができれば凄くうれしい」
今年1月からスカウト生活が始まった。対象は高校生と大学生。全国各地の試合会場を飛び回る日々だ。仕事の大半は「見る」こと。練習場に足を運び、自チームの試合映像もチェックする。「人生で一番サッカーを見ているかもしれない」と笑う。
キックを代名詞にプロの世界を生き抜いた。J2で決めた16本の直接FK弾は歴代最多。「最初から最後までぶれずに、キックにはこだわりを持っていた」という自負がある。だから「特長が一つあることが、プロになる上で必要なのかなと勝手に思っている」と言う。
例えば松本時代の同僚で、プロ1年目から知るFW前田大然(現セルティック)。技術は粗削りだったものの「スピードは誰が見ても凄かった」。その後の飛躍は予感できていた。「宮阪と言ったらキック、大然と言ったらスピード。何かたけているものを持っていることが大事で、そこからは環境が成長させてくれる」。自らの経験を基に、光る原石を探し出す。
大学時代は早朝6時に練習がスタート。まだ薄暗い中、あるJ1クラブのスカウトが、他の選手を目当てに毎日足を運んでいた光景を覚えている。選手のささいな変化も見逃さない、真のプロフェッショナルだった。「大きなパワーを使う仕事だと改めて思う。自分もそういう仕事をしなければいけないんだなと」。クラブ悲願のリーグ制覇に向かって。スパイクを脱いでも、歩みが止まることはない。
≪FK弾量産の秘訣 壁越え&枠に入れる≫
宮阪氏は右足から繰り出す高精度のキックで、プロ12年間で19本の直接FK弾を記録した。J2では歴代最多の16本。J1~J3の全カテゴリーで達成しているのは藤本淳吾(元相模原など)、馬渡和彰(松本)の3人しかいない。「少しだけだが、Jリーグに記録を残せた」と胸を張る。
キックの秘けつを聞くと、シンプルな答えが返ってきた。「壁を越さないとゴールには入らないし、枠に入れないとゴールには入らない。浅いかもしれないけれど、その2つが大事」。土台には「自信を持たせるためにめちゃくちゃ練習した」という日々の積み重ねがあったことは、言うまでもない。
◇宮阪 政樹(みやさか・まさき)1989年(平元)7月15日生まれ、東京都練馬区出身の34歳。FC東京U―15深川、同U―18、明大を経て12年にJ2山形入り。同年のJ2新人王に選出され、14年のJ1昇格、天皇杯準優勝に貢献。16年に松本(当時J2)に移籍。J2大分、松本、J2群馬を経て21年からJ3長野でプレーした。J1通算37試合2得点、J2通算222試合26得点、J3通算88試合3得点。1メートル69、68キロ。利き足は右。
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