ブライトン・三笘　判断力ベッカム級！新境地アシスト　他を生かす“個”で圧巻

FA杯5回戦   ブライトン1－0ストーク （ 2023年2月28日 ）

＜ストーク・ブライトン＞決勝点をアシストして勝利に貢献した三笘（ロイター）

　英プレミアリーグのブライトンに所属する日本代表MF三笘薫（25）が2月28日、2部ストークとのFA杯5回戦で決勝アシストをマークした。0―0の前半30分に裏への鋭い抜け出しから左足ダイレクトで中央に折り返し、決勝点をお膳立て。チームを8強へ導いた。得意のドリブルが対策される中、進化した姿を披露。今月末に第2次政権初陣を迎える森保ジャパンにとっても大きな武器となりそうだ。

　ドリブルだけじゃない！そう言わんばかりの圧巻プレーだった。前半30分、左サイドで一度下がってパスを受けるようなフェイントから、DFラインの裏へスプリント。味方からの絶妙なスルーパスを受けると、左足ダイレクトで中央に折り返し、18歳のFWファーガソンの決勝点をお膳立てした。ドリブル突破ではなく、ワンタッチで今季公式戦3アシスト目を記録し「チームとしても“あそこを狙っていけ”って言われている。シュートもありましたけど、確実にいきました」と納得の表情で振り返った。

　W杯カタール大会後は、アーセナルやリバプールなど強豪相手に得意のドリブルを駆使してゴールを決めるなど、一大センセーションを巻き起こした。そんな三笘に対し対戦相手は警戒を強め、左サイドでボールが入ると、相手は右サイドバックだけでなく、右MFやボランチなども協力して“ダブルマーク”する形で対策。それでも最近は相手守備を逆手に取り、中央寄りにポジションを取って裏に抜け出すプレーにチャレンジ。得点にはつながらなかったが、この日も前半21分にDFラインの裏に抜け出し、もう一歩でゴールに迫るシーンもあった。

　新たな形を構築し、さらに進化した姿を見せた25歳。今月末には26年W杯に向けた再スタートを切る日本代表にとっても、新オプションとなる可能性がある。「これが普通ぐらいにならないといけないと思ってる。ゴールを決められるシーンもありましたし、もっともっと質を求めていかないといけない」と冷静に振り返り「プレミアリーグはもちろん大事なので、次の試合に勝ってまた勢いに乗りたい」と、中3日で迎える4日（日本時間5日）のホーム・ウェストハム戦を見据えた。

　≪元イングランド代表DFリー・ディクソン氏「最大の強み」≫三笘がベッカム並みの判断力を称賛された。元イングランド代表DFリー・ディクソン氏がブライトンの試合前に地元テレビ局で「止めるのが難しい。相手は接近して足元でボールを止めることになるが、彼はサイドバックが近づく前に判断を下すのがうまい」と三笘について言及。さらに元イングランド代表のスーパースターを引き合いに出し「ベッカムも同じだった。相手は蹴ってくるのが分かるから近づけず、距離を取ればドリブルで仕掛けてくる。（三笘の）判断力は最大の強みになるだろう」と高く評価した。