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【森保Jの26人】伊藤洋輝 驚異の集中力で勉強もトップクラス

[ 2022年11月11日 04:30 ]

【森保Jの26人(9)】

伊藤洋輝

 今年6月の日本代表初招集からわずか5カ月でW杯に臨む26人に名を連ねた。順風満帆に見える歩みだが、DF伊藤は学生時代から海外、そしてW杯での活躍を思い描き、努力を続けてきた。磐田東高1、2年時の担任で、同校野球部の監督を務める山本幸司さん(46)は「本当にサッカーが好きで、生活の全てをサッカーにささげているような子だった」と証言する。

 伊藤は高校3年生だった17年5月、トップチーム昇格に伴い、通信制の高校に編入するまで磐田東で高校生活を送った。当時から年代別代表に名を連ねていたため合宿や遠征で学校を欠席することも多かったが、多忙を言い訳にせず勉強に励んでいたという。

 特に定期テスト前には自主的に教卓の前に“席替え”し、周囲が驚くほどの集中力で猛勉強。成績は常に学年上位を維持していたといい、「勉強をおろそかにしてサッカーに影響を及ぼしたくないと、とても頑張っていた」と山本さんは当時を懐かしむ。

 伊藤のプロ入り後も移籍や結婚などの節目で連絡を取り合い、近況を報告。その中で「海外移籍が決まった時は“自分の中ではこの年齢での挑戦は遅い”と話していた」と明かした。センターバック、左サイドバックをこなすユーティリティー性に、利き足の左での正確なキック。23歳でたどり着いた大舞台で、自らの価値を証明する。(井上 侑香)

 ◇伊藤 洋輝(いとう・ひろき)1999年(平11)5月12日生まれ、静岡県出身の23歳。磐田の下部組織で育ち、17年トップチーム昇格。18年8月にリーグ戦初出場。19年は名古屋に期限付き移籍、20年磐田復帰を経て21年7月シュツットガルトに期限付きで移籍し、今夏完全移籍となった。U―16から各年代の日本代表に選出。1メートル88、84キロ。利き足は左。

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2022年11月11日のニュース