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川崎F,敵地福岡戦で16年ぶり勝利 3連覇へ光 マルシーニョ「プロ生活の中で初めて」のハットトリック

[ 2022年8月20日 22:57 ]

前半終了間際、自身2点目のゴールを決め、喜ぶ川崎・マルシーニョ
Photo By 共同

 明治安田生命J1リーグは各地で4試合が行われ、川崎Fは敵地で福岡に4―1で大勝した。FWマルシーニョ(27)がチーム内得点王に躍り出る圧巻の3得点。首位の横浜より1試合消化が少ない状況で勝ち点差を8→5に縮め、リーグ3連覇への希望を膨らませた。

 マルシーニョが「歓喜」を呼び込んだ。前半7分、脇坂の縦パスを起点に山根の折り返しを中央で押し込むと、同45分にゴール前の混戦で決勝点を奪った。最後は後半19分、家長の右クロスを豪快に頭で決め、「プロ生活の中で初めてのハットトリック」を達成した。同28分には全4得点に絡んだ家長がPKを成功させ、ゴールラッシュを締めくくった。

 会場は98年、初開催された一発勝負のJ1昇格決定戦1回戦で鬼木監督らが福岡を相手に「博多の森の悲劇」と呼ばれる死闘を演じ、敗れた地だった。16年6月には引き分けが第1ステージのV逸に直結。2連覇した昨季は8月に初めて黒星を喫し、山根が今も「サポーターの怒号を覚えている」という因縁があった。この場所での白星は06年5月以来、実に16年ぶり。重みの詰まった1勝で3連覇への歩を進めた。

 試合直前には選手1人にアクシデントが起き、ベンチが1人少ない6人に。前半終了間際にはエースのレアンドロ・ダミアンが負傷し、担架で退いた。鬼木監督は試合直後の会見で、「まだ見てはいないですけど、いい状態ではないような気がしている。彼があれくらい痛がるのはあまりないこと。腫れは出てきている」と不安の残る状態を明かした。

 不測の事態が続いても、タイトルへの執念が川崎Fらしいサッカーを完遂させた。「優勝するためには1試合も落とせない。いろんな言い訳ができる状態でも、それはしないという覚悟が、若い選手も含めて全員でできている」とダミアンに代わった小林は胸を張って首位奪還を見据えた。

 横浜との勝ち点差は「5」に縮まった。脇坂は言う。「自分たちは追う立場。積み重ねていくことが一番大事」。下から追われるプレッシャーがいかに重いものか、2連覇した昨季の経験から知っている。背番号14は「それを自分たちがしていく。そして最後は上に立つ。もう落とせないので、1試合1試合大事に戦っていきたい」と力を込めた。

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2022年8月20日のニュース