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快勝の裏にあった日本の弱点 アンカー両脇のスペースにリスク ドイツ&スペインには命取りに

[ 2022年6月4日 05:30 ]

<日本・パラグアイ> 2日の試合で相手のプレッシャーを受ける板倉(中央) (撮影・光山 貴大) 
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 【SOCCER 追球】日本代表は3日、札幌から千葉に移動し、6日のブラジル戦(東京・国立競技場)に向けて再始動した。南野拓実(27=リバプール)らがオンライン取材に対応。4―1で快勝した2日のパラグアイ戦ではW杯カタール大会(11月21日開幕)に向けて多くの収穫を手にしたが、ビルドアップ時にボールを失う課題も浮き彫りになった。新企画「サッカー追球」で検証する。

 パラグアイのバロスケロット監督は日本を称える一方、弱点にも言及していた。「我々がプレッシャーをかけた時にビルドアップで苦しんでいた。低い位置でボールを奪われピンチになっていた」

 後半14分の失点場面はGKシュミットのフィードを引き出したボランチ板倉が、背後からプレッシャーを受けながらセンターバックの伊藤に落とし、伊藤も寄せられてパスミスを犯した。後半35分にも田中、板倉がプレスを受けてボールを失いピンチを招いた。

 森保監督も「奪ったボールを攻撃に結びつける部分で合わないところがあった」と分析しており、守備から攻撃への移行直後にボールを奪われ、逆襲を受けたプレーを課題に挙げていた。

 森保ジャパンの基本布陣は当初4―2―3―1だったが、最終予選で4―3―3にシフトした。4―3―3の中盤はアンカー遠藤の前にインサイドハーフの田中と守田が並ぶ。このV字形が機能したおかげで予選を突破できたと言っても過言ではない。ただアンカー両脇のスペースを使われた時のリスクは以前から指摘されていた。

 森保監督はW杯を見据えて4―2―3―1への回帰や3バック導入も模索中だ。パラグアイ戦は4―3―3でスタートし、後半は4―2―3―1も試した。ところが、自陣でのボールロスト回数は中盤の底が2人になった後半の方が多かったというのが悩ましい。

 W杯で戦うドイツ、スペインのプレスは強烈だ。決定力の高いFWがいるため、自陣深くでボールを失えば失点の確率は高まる。ボランチ付近のボールロストは、果たしてシステムの問題か、プレーヤーの距離感なのか――。次戦の相手ブラジルは攻撃力に加え、守備の強度も世界トップレベル。DFライン前の危険なエリアをどう守り、激しいプレスをかいくぐりどう攻めるか。課題克服のヒントを見つける一戦となる。 (福永 稔彦)

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2022年6月4日のニュース