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G大阪 開幕7戦目の初勝利 無失点の日本代表GK谷 目を真っ赤に腫らしながら取材エリアで…

[ 2023年4月10日 06:00 ]

明治安田生命J1リーグ第7節   G大阪2―0川崎F ( 2022年4月9日    パナスタ )

<G大阪・川崎F>川崎Fに勝利し、タッチを交わすG大阪イレブン=パナスタ
Photo By 共同

 明治安田生命J1リーグは9日、各地で8試合が行われ、G大阪は開幕7戦目で待望の初勝利を手にした。MFダワン(26)の得点などで川崎Fに2―0で快勝。守備陣は日本代表GK谷晃生(22)を中心に今季リーグ戦で初めて無失点だった。神戸は新潟と引き分けて首位を守った。

 試合終了のホイッスルが鳴り、大の字になってピッチに倒れ込んだ。サポーターへ感謝を示す場内一周では大粒の涙がほおを伝う。打たれたシュートはわずか4本。それでも谷にとって大きな意味を持つ無失点勝利だ。

 目を真っ赤に腫らしながら取材エリアでは「何のことか分からない。覚えていないです」と涙を全否定。ただ「今週はよく眠れるかな。下がりきったと思うし跳ぶだけです」と笑った。7試合目で就任後リーグ初勝利を手にしたポヤトス監督が「メンタル的にしんどかったと思う」と振り返るように、この1週間、谷は苦しんだ。

 前節湘南戦。致命的なキックミスを犯し、チームは4失点大敗。同僚の前で明るく振る舞っても嫌なイメージを簡単には振り払えない。考え込む中で「(世界的なGK)クルトワでもアリソンでもミスはする」「自分が自分に一番期待している」と自らに言い聞かせた。前半8分は結果的にオフサイドだったものの、1対1の遠野から、そのこぼれ球を狙う宮代から放たれた鋭いシュートを連続セーブ。さらにこぼれた球をゴールライン上でかき出す姿に気持ちの強さが象徴されていた。

 G大阪アカデミー育ち。湘南で武者修行を終え今季4年ぶりに復帰した。トップチームでの勝利は初めて。「自分にとって大きなことだけど、たかが1勝と受け止めないといけないし、きょうのが普通の1勝だったと言えるように」。攻守の歯車がかみ合い、FW宇佐美も戦列復帰した。そして谷の復調。“たかが1勝”だが、巻き返しを予感させるには十分だ。(飯間 健)

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2022年4月10日のニュース