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鹿島 今季初完封で再出発1勝 相馬新監督 準備期間3日で“らしさ”植え付けた

[ 2021年4月18日 05:30 ]

明治安田生命J1第10節   鹿島1-0徳島 ( 2021年4月17日    鳴門大塚 )

徳島に勝利し、笑顔の鹿島・町田(右)
Photo By 共同

 明治安田生命J1リーグは各地で5試合が行われ、鹿島は徳島を1―0で下し、相馬直樹新監督(49)の初陣を飾った。前半31分にU―24日本代表のDF町田浩樹(23)が右CKを頭で合わせて先制。14日にザーゴ監督が解任となり、わずか3日間の準備期間で、今季リーグ戦初の完封勝利を挙げた。

 派手さはいらない。セットプレーでの1点を泥くさく守り抜き、新生鹿島が再出発の1勝を挙げた。14日に解任となったザーゴ監督の後を継いだ相馬新監督は「短い時間で準備してきたことを選手が期待以上にやってくれた。苦しい時間もあったが、それぞれが監督交代になってしまった責任をゲームで出してくれた」と称えた。

 失いかけていた鹿島の「伝統」を吹き込んだ。わずか3日間の準備期間で、指揮官が1番に伝えたのが「現実を見よう」。国内最多20冠を誇る常勝軍団も、16年を最後に国内タイトルから遠ざかっている。黄金期を知るOBとして相馬監督は「はいつくばって勝っていたんだ」と、薄れていた伝統の勝利にこだわる姿勢を説いた。

 この日は大卒ルーキーのDF常本が猛プレスから右CKを獲得。DF永戸のクロスに、ニアへ飛び出したDF町田が頭で合わせて先制点を奪った。町田は「なんとしても、勝ちたい気持ちで戦った」。プライドはかなぐり捨て、雨中で泥にまみれながら体を張ってゴールを死守。本来の鹿島“らしさ”を取り戻し、今季リーグ初の完封勝利をつかんだ。

 それでも、まだ1勝だ。相馬監督は表情を引き締めながら言った。「今日も含めて(残り)30試合あるので、何かを起こせないわけでは決してない。現実を見て、ここからがスタート。全部が勝てるとは思ってはいけない。目の前の一試合一試合を出し切りたい」。巻き返しへの第一歩を刻んだ。(清藤 駿太)

 ◆徳島・ポヤトス監督 悲しい。でも負けに値する試合だったかといえば違う。自分たちのやりたいことはできた。(初采配は黒星。新型コロナウイルスの影響で来日が大幅に遅れ、15日にチーム合流)

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