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“神”GK熊倉2本止めた!山梨学院 魂のPK戦制し11大会ぶり決勝切符

[ 2021年1月10日 05:30 ]

第99回全国高校サッカー選手権準決勝   山梨学院(山梨)2―2(PK3―1)帝京長岡(新潟) ( 2021年1月9日    埼玉 )

<山梨学院・帝京長岡>PK戦、帝京長岡4人目・鉾(左)のシュートをGK熊倉がストップ(撮影・篠原岳夫)
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 全国高校サッカー選手権準決勝2試合が行われ、決勝は山梨学院―青森山田の顔合わせに決まった。山梨学院は11大会ぶり2度目、青森山田は2大会ぶり3度目の優勝を目指し、11日に同会場で対戦する。山梨学院は帝京長岡(新潟)に2点のリードを追い付かれたが、2―2からのPK戦はGK熊倉匠(3年)が好守を見せて3―1で制した。青森山田は安斎颯馬(3年)のハットトリックなどで矢板中央(栃木)を5―0と圧倒。3大会連続で決勝に進出した。

 主将も務める守護神が、チームを11大会ぶりの決勝舞台へ導いた。2―2で突入したPK戦。「それまで何も貢献できていなかった。PK戦になったら絶対に止めてやると思っていた」と強い気持ちで臨んだGK熊倉は、1本目と4本目を見事なセーブで阻止。2点のビハインドを追いついた相手の勢いを完全に止め、チームに流れを引き戻し、なおかつ決勝切符をもたらした。

 「PKは得意」と胸を張る。「自分たちが目指しているのは優勝。そこにつながって良かった」と、ホッとした表情で勝利をかみしめた。

 幸先はよく、前半開始17秒にMF野田が相手の意表を突く約30メートルのロングシュート。惜しくも阻まれたが、そこから今大会最速となる開始21秒での先制点が生まれた。FW久保の右足シュートのこぼれ球を、MF石川隼が体を倒しながらも右足で流し込んだ。「自陣でボールを奪ったあと、シンプルに相手の裏をロングボールで狙う作戦だった」と石川隼。対戦相手を徹底的に研究し、伝統の堅守で勝ちきる。前半はまさに思い通りだった。

 後半5分にロングスローからDF一瀬が頭で決めて加点。だが、長谷川監督が「2―0でホッとしてしまった」と振り返ったように、終盤は完全に相手にペースを握られた。気がつけば同点でPK戦。その嫌なムードを払しょくしたのが、主将の好セーブだった。この準決勝からは保護者や学校関係者も規制され、完全無観客開催。熊倉は「親や試合に出られない仲間に見てもらえないのは悲しかったけど、その分、今日は絶対に勝って恩返ししたかった」と喜んだ。

 決勝は初優勝した88回大会以来。相手はくしくも同じ青森山田だ。2度目の全国制覇へ、熊倉は「青森山田は伝統のある強豪校。自分たちがやってきたことを信じて、チャレンジャー精神で臨みたい」と誓った。

 ◆熊倉 匠(くまくら・たくみ)2002年(平14)7月30日生まれ、埼玉県出身の18歳。FC東京U―15深川を経て山梨学院に進学。鋭いシュートへの反応が武器。決勝で対戦する青森山田のMF安斎とは中学時代にチームメートだった。好きな選手はイタリア1部ユベントスの元イタリア代表GKブフォン。家族は両親、姉、妹。1メートル81、75キロ。

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