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母国ケニアのために…オルンガ“第一人者”として次なる挑戦の舞台へ

[ 2021年1月6日 05:30 ]

柏FWオルンガ カタール1部アルドハイル移籍決断

「Jリーグアウォーズ」でMVPに選出された柏FWオルンガ(C)Jリーグ
Photo By 提供写真

 昨年12月のJリーグ・アウォーズでの記者会見。アフリカ出身選手初のMVPを獲得した柏のFWオルンガは「アフリカ出身選手にも、もっとここ(日本)でプレーしてもらいたい。私が偉業を達成することで日本国内だけではなく、海外にも影響を与える」と語った。日本で“第一人者”となることが、海外で活動するサッカー選手が少ない母国のためでもあった。

 2018年夏にケニア出身者初のJリーガーとして柏へ加入。同時期には神戸にMFイニエスタ、鳥栖にFWトーレスが加入。当初は世界的スターの陰に隠れていた。実際、オルンガ自身も日本のサッカーに慣れるまで時間を要し、その年は出場10試合でわずか3得点。チームもJ2に降格する憂き目を味わった。だが、翌年就任したネルシーニョ監督の下で、そのポテンシャルを開花させた。

 規律を求める指揮官は、どんなに得点を取ろうが特別扱いはしなかった。それはオルンガにも当てはまる。実際、昨季のJ2開幕戦では先発を外れた。FWは点を取ることだけが仕事ではない。ハードワークを基にしたプレスを植え付けられたことで、プレーは長足の進歩を見せ、J2最終戦の京都戦で1試合個人最多となる8得点を記録した。

 来日当初、周囲からその実力に疑いの目が向けられた時期もあったという。しかし、それをゴールという結果で払拭し、ケニア人初のJリーガーとして歴史に名を刻んだ。5カ国7クラブを渡り歩いてきた26歳の、次の挑戦の舞台は中東。きっと母国にいるはずの未来のサッカー選手、つまり“オルンガ2世”のためにも、ネットを揺らし続けるはずだ。(柏担当・清藤 駿太)

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