×

サンプドリア麻也 ここから、やっと再スタート「いい準備できた」

[ 2020年6月20日 05:30 ]

吉田はサンプドリアでのデビュー戦でフル出場
Photo By 共同

 新型コロナウイルスの影響で3月9日から中断していたイタリア・セリエAが20日から無観客で再開する。1月にサウサンプトン(イングランド)からサンプドリアに期限付き移籍で加入した日本代表DF吉田麻也(31)がクラブを通じて独占取材に応じ、約3カ月にわたった中断期間、残り13試合の残留争いなどについて語った。16位サンプドリアは21日に3位インテル・ミラノと、日本代表DF冨安健洋(21)の10位ボローニャは22日に首位ユベントスと対戦する。(イタリア・神尾光臣通信員)

 ――セリエA再開に向けて、率直な気持ちは。
 「いよいよという感じで、いい準備はできています」

 ――イタリアとイギリスでそれぞれロックダウン(都市封鎖)を経験。どう過ごしてきたか。
 「自宅で個人トレーニングです。イギリスでは家族と過ごせたので良かったのですが、イタリアに来た当初は1人だったので、自炊と自分を律するのが大変でした」

 ――ロックダウン中は個人練習が主体となり、フィジカルコンディションや集中力の維持は大変だったのでは。
 「大変でした。でも日本のトレーナーに個別メニューを組んでもらい、毎日動画チェックなどをしてもらっていた。練習再開時には、他の選手よりはいい準備ができていたのでは、と思います」

 ――サンプドリアは多くの感染者が出た。現在のチームの様子は。
 「4日ごとにPCR検査を受けていて、練習再開後は、スタッフも含めみんな陰性なので、管理はできているとは思います」

 ――5月4日の練習再開後、内容など以前と変わったことは。
 「練習再開して1週間くらいは、3グループに分かれ少人数・対人プレーなしで練習していましたが、今は普通の練習になっています。ただ、なるべくソーシャルディスタンスは取るように選手同士は気を使っています」

 ――5月にサンプドリアと地元ジェノバの病院にマスク1万枚を寄付した。
 「(J1名古屋)グランパスのOBメンバーでオンライン飲み会をしていた時に、ユース時代の後輩が勤めている繊維会社がマスクの販売を開始したと聞いたので、その場で後輩にオーダーをお願いしました」

 ――3月8日に移籍後初出場したベローナ戦で2―1の勝利に貢献した。久々のプレーで集中力を保つことは簡単ではなかったと思うが。
 「最初の試合だったのであまり無理をせずシンプルなプレーを試みました。でも、久しぶりの実戦だったので確かに気疲れはしましたし、自分的には決していいパフォーマンスではなかったと思いますが、勝利と自分の評価につなげられたことはよかったです」

 ――今後へ自信も深められたのでは。
 「自信をいうよりは『ここから、やっとスタートだ!』という気持ちになれたのですが、すぐにロックダウン(都市封鎖)になってしまったので…。ここから再スタートなので頑張ります」

 ――ラニエリ監督は今後も3バックを採用すると報じられている。スタメン確保へ抱負は。
 「トレーニングでは3バックも4バックも両方練習していて、チームメイトとも問題なくコミュニケーションがとれている。出場に対しての心配はないのですが、一番重要なのは失点をなくすこと。数字で結果を残しづらいポジション(DF)としては失点には拘ることで、結果を残すことに改めて拘りたいと思っています」

 ――再開初戦となる21日のインテル・ミラノ戦へ意気込みは。
 「準備はいつもと変わらないのですが、インテル、ローマ、ボローニャと強豪チームとの試合が続くので、いいスタートを切ることがより重要になってきます」

 ――再開後は過密日程になる。国際試合などで夏の試合は経験したと思うが、どう備えるか。
 「試合が中2、3日で続くので、トーナメント並みにスタートは大事だと思います。勢いがつけばそのままいける可能性がありますが、ダメだった場合そのまま抜け出せなくなることも十分考えられるので、チームのパフォーマンスを安定させることが重要だと思います」

 ――無観客での開催について。
 「自分がやれることだけに集中します」

 《フル出場で貢献も…》サウサンプトンで8季目を迎えた吉田は今季公式戦出場が11試合にとどまり、1月に出場機会を求めて移籍を決断した。3月8日に新型コロナウイルスの影響で無観客開催となったベローナ戦で新天地デビュー。フル出場で2―1の勝利に貢献したが、翌日にリーグ中断が発表された。

 厳しいロックダウン(都市封鎖)を経て、5月4日から個人練習が許可され、同28日に6月20日からの再開が決定。ドイツは5月16日、スペイン1部は6月11日、イングランド・プレミアリーグは同17日に再開しており、4大リーグで最後のリスタートとなった。
 

続きを表示

この記事のフォト

2020年6月20日のニュース