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現場は賛否両論 サッカー欧州リーグ 春秋制への移行議論が本格化か

[ 2020年5月5日 07:00 ]

 新型コロナウイルスの影響で中断している欧州主要リーグについて、現在の秋春制から春秋制へ移行する議論が本格化する可能性が出てきた。国際サッカー連盟(FIFA)副会長のビクター・モンタリアーニ氏(54=北中米カリブ海連盟会長)が2日にイタリアのラジオ局「ラジオ・スポルティーバ」で言及。元スペイン代表GKのイケル・カシリャス氏(38)ら、現場からもシーズン移行に前向きな声が上がっている。

 FIFAのインファンティノ会長の側近とされる副会長の注目発言だった。イタリア系カナダ人のモンタリアーニ氏は「我々(FIFA)は24年までの新日程をどう組むかを既に考えている」とした上で、欧州の春秋制移行の可能性に言及。「22年W杯カタール大会は11~12月に行われる。今後2年と冬のW杯を考慮した解決策になり得る。今後各国協会、(欧州)連盟で議論される可能性があり、捨てるべきアイデアではない」と議論の本格化に期待を寄せた。

 2月に引退してスペイン協会会長選へ出馬する意向を表明したカシリャス氏も、4月にツイッターで同様の案を披露していた。コロナ禍が「もし3~4カ月で落ち着けば、今季残りをプレーして欧州CL決勝を12月に行う」と今季を12月まで延期することで打ち切りを回避。来季を21年の年明け開始とすれば終了は秋となり、22年も同様にすれば「22年11月開幕のW杯にうまく合わせられる」と説明した。

 Bミュンヘン(ドイツ)のルンメニゲ社長は欧州クラブ協会会長時代の13年に春秋制について「ドイツ、フランス、英国などは夏が1年で最高の時期なのにプレーせず、選手も観客も嫌う真冬にプレーするのは論理的ではない」と気候面のメリットを指摘していた。ナント(フランス)のグルキュフ監督も3月に地元メディアに「サッカーは夏のスポーツだと思う」と春秋制を支持していた。

 もちろん移行には課題が多く、スペインリーグのテバス会長は「放送権契約や選手の複数年契約はどうなるのか。数千万ユーロの話だ」と指摘する。しかし、リーグ開催には各国政府の許可が必要。もし状況が悪化し、年内の開催が許可されない事態となれば、年明けのシーズン開幕による“強制的”な春秋制移行も現実味を帯びてくるかもしれない。

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2020年5月5日のニュース