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カレン・ロバート“第2の人生”は選手兼オーナー「子どもの夢を叶えられるクラブを」

[ 2020年5月2日 06:30 ]

選手兼オーナーとして、今も子どもたちに夢を与えるカレン・ロバート(中央)(クラブ提供)
Photo By 提供写真

 2005年のJリーグ新人王。オランダなど世界6カ国を渡り歩いたFWカレン・ロバート(34)が“第2の人生”を歩んでいる。千葉県社会人1部リーグ(J7部相当)に所属する「房総ローヴァーズ木更津FC」のトップチームでプレーしながら、オーナーとしても手腕を発揮。二足のわらじを履きながら、本格的にJリーグ参入を目指してきた。

 昨年3月、自身のSNSで「プロ選手活動終了のお知らせ」と題し、キャリアに幕を閉じると発表した。「現役引退」と報じられたが、カレンのサッカー人生は終わっていない。昨季は自身が運営するクラブで所属する学生たちとプレー。「まだみんな学生なので熱の差がある」と、ギャップに戸惑いながらも充実感をにじませた。

 オランダ・VVVフェンロ時代の2013年、カレンがNPO法人として発足させたサッカースクールが母体だ。「子どもの夢を叶えられるクラブを作りたかった」。J1柏、J2千葉がカバーしていない木更津市をホームタウンに設定。翌年は3面のフットサルコートを開設するなど、着々と地域に根ざしたクラブの実現を目指してきた。

 今年3月には、木更津市と不動産貸付契約を締結。東京アクアライン連絡道の袖ケ浦インターから、約3キロに位置する学校跡地をホームスタジアムとして改装することが決まった。体育館、宿泊施設も備えた総合スポーツ交流施設として今夏のオープンを目指しており、カレンは「ここがクラブ強化の拠点になる」と、期待に胸を膨らませる。

 市立船橋時代は2度の日本一を経験。2種で出場した03年天皇杯3回戦では、同年J1王者の横浜相手に2―2の同点に持ち込み、PK戦の末に敗れた激戦は今も語り草となっている。「よく市民の方々から“市船のカレン”って呼ばれるんです。その後、Jリーグで新人王獲ってるんですけどね」。いつの日か、“木更津のカレン”と呼ばれるまでユニホームは脱がない。(清藤 駿太)

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2020年5月2日のニュース