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鹿島の地域連携担当・桜井奨貴氏 つないできた縁を生かして地元の味サポート

[ 2020年5月1日 06:00 ]

再開を待つJな人々

鹿行の食を届けるプロジェクトの特設サイト。数々の通販事業者、飲食店が紹介されている(ホームページより)

 新型コロナウイルスの影響が続く中、クラブが果たせる役割は何か。鹿島のマーケティンググループで地域連携を担当する桜井奨貴氏(29)が中心となり「鹿行(ろっこう)の“食”を届けるプロジェクト」が立ち上がった。

 着想を得たのは、札幌商工会議所が運営するウェブサイト「緊急在庫処分SOS!」。コロナ禍で道内の食品関連企業が大きな打撃を受ける中、サイト上で地元企業の商品を紹介し販売促進の支援を行っている。桜井氏は「これを地域連携に応用できれば地域の手助けになるのでは」と考え、3月末の社内会議を経てすぐにプロジェクトの特設サイトを公開。ホームタウンである鹿嶋市や行方(なめがた)市など鹿行地域とその周辺の通販事業者、テークアウト、デリバリーが可能な飲食店の情報を掲載している。

 当初は「著名な札幌だからこそできる取り組みで、鹿行地域でうまくいくのか」という不安もあったというが、感謝の声が不安をかき消してくれた。事業者からは「公式サイトを持っていないので助かった」、「掲載してすぐに注文が来た」という反響が寄せられ、消費者も「いつも食べているスタジアムグルメを注文できてうれしい」と喜んだ。自治体からは「市報に載せたい」、「近隣にこういった店舗があるが掲載できるか」といったオファーも届くようになった。クラブ、自治体、事業者、消費者の4者一体の活動は広がり続け、通販30店舗、テークアウト、デリバリー56店舗(4月30日現在)が掲載されている。

 プロジェクトを知った他のJクラブから問い合わせを受けることもあり、今後は他クラブ、他競技団体とのコラボも目指していきたいという。「元々存在していた地域とのつながりをプロジェクトという形で表現できた。今後は他クラブの取り組みともうまくつながりたい」と桜井氏。鹿島が大切につないできた地元との縁が、大きな輪となって広がりつつある。

 ◆桜井 奨貴(さくらい・しょうき)1991年(平3)4月3日生まれ、宮城県仙台市出身の29歳。J3秋田での勤務を経て19年2月に鹿島入社。現在は事業部マーケティンググループで地域連携を担当。信念は「さりげなく鮮やかに」。

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2020年5月1日のニュース