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“パリの星”は飛び級で輝く!久保だけじゃない東京五輪狙う次世代MF西川潤

[ 2020年4月10日 06:30 ]

1年延期でどうなるサッカー五輪代表【下】

昨年飛び級でU―20W杯に出場した西川(右)
Photo By 共同

 今春に桐光学園高を卒業し、C大阪に新加入したルーキーのMF西川潤(18)にとっては、東京五輪の1年延期でアピールの機会が飛躍的に増えた。スペイン1部バルセロナも注目し、24年パリ五輪の主力と目されるレフティー。タレントがひしめく2列目で存在感を示し、飛び級での五輪メンバー入りを目指す。(西海 康平)

 たかが1年、されど1年。五輪延期は、メンバー選考の序列変動に少なからず影響を及ぼす。今季の目標として、自国開催の大舞台に立つことを掲げていた西川は「(延期は)仕方がない。また新たに、1年先に目標ができました」と前向きに捉える。プロとして実績を残しておらず、U―23日本代表に招集されたことはない18歳にとって、1年はアピール機会の増加につながっている。

 中村俊輔らを輩出した桐光学園高出身。入学前から背番号10を背負った逸話を持つ。「入学する前に(高校の)遠征に行ったんですけど、そこで10番を渡されて。それから3年間、10番。俊輔さんとかいろんな方がつけている番号なんで最初は戸惑いましたけど、徐々に気持ちは強くなっていった」。高3だった昨年は、加入が内定していたC大阪の特別指定選手としてJ1デビューも飾った。

 昨年5~6月に飛び級でU―20W杯に出場。10~11月にはエースとしてU―17W杯にも出場した。感じたのは世界との距離感の「遠さ」ではなく「近さ」だった。

 「逆に、衝撃があまりなくて。スピード感とかは違うものがあるけど“こいつ、やべーな”っていう思いにはならなかった。それはある意味、良いことでもあるし“やれるな”という思いもあった。もうちょっと頑張れば、もっと努力すれば活躍できるんじゃないかという思いがあった」

 その「もうちょっと」や「もっと」を埋められる期間が、この1年間だ。MF久保建英(マジョルカ)とは同学年で、同じ川崎市出身。小学校の低学年の頃に同じ会場で行われた久保の試合を見て「こういう選手がいるんだ」と驚かされた。東京五輪のメンバーに選ばれれば、同じピッチに立つ可能性もある。

 自身のスタイルとして「目標設定を徐々にして、積み上げていくタイプ」と語るレフティー。日々、C大阪でアピールし、定位置を奪うことが来年の大舞台へとつながる。

 ◆西川 潤(にしかわ・じゅん) 2002年(平14)2月21日生まれ、川崎市出身の18歳。青葉FCでサッカーを始め、横浜ジュニアユースを経て「成長できる環境だと思った」という理由で兄と同じ桐光学園高に進学。昨季はC大阪の特別指定選手としてルヴァン杯、J1でデビュー。1メートル80、70キロ。利き足は左。

 ≪OA枠はどうなる?≫1年延期となった東京五輪のOA枠候補は、現時点で今季も有力候補に挙がっていたFW大迫、MF柴崎、遠藤、DF昌子、植田らがベースとなる。森保監督が2月に欧州を視察した際にはベテランのMF長谷部にも協力を依頼している。

 一方で今後のW杯予選、五輪強化日程次第では森保監督の「兼任」を懸念し、A代表への専念を推す声もある。指揮官が代われば当然、OA枠候補の顔触れも変化することが予想される。

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