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国学院久我山8発大勝!山下貴、山本航と開幕戦史上初のWハット達成!

[ 2019年12月31日 05:30 ]

第98回全国高校サッカー選手権1回戦   国学院久我山8-0前原 ( 2019年12月30日    駒沢 )

<国学院久我山・前原>後半、自身3得点目のゴールを決める国学院久我山・山下貴(右)(撮影・西海健太郎)
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 令和最初の大会が開幕、開幕戦からゴールラッシュとなった。開会式後 に国学院久我山(東京B)が前原(沖縄)と対戦。FW山下貴之(3年)のゴールを皮切りに、現行制度になってからの開幕戦新記録となる8得点で大勝した。山下貴は史上2人目となる開幕戦でのハットトリックを達成。さらにFW山本航生(3年)も3発を沈め、史上初の“ダブルハットトリック”の記録ずくめの勝利で、選手権初制覇に弾みをつけた。

 ボールがゴールネットに吸い込まれるのを確認し、山下貴は左手の人さし指を立てて走りだした。前半6分、味方のシュートが足元に収まった。「こぼれ球を詰めようと思っていた。そこにボールが来て、トラップすればゴールできるというイメージがあった」。ファーストタッチで見事にコントロールし、追いすがる相手DFも飛び出したGKも気にすることなく、右足で「令和1号」を決めた。

 ゴールラッシュの号砲を打ち上げると、2点目も自身で決めた。5分後、こぼれ球を拾い、利き足の左足を振り抜いた。3―0で迎えた後半12分には50メートル6秒1の快足でスペースに抜け、ペナルティーエリア外から思い切って足を振り抜いた。それでも「自分だけのゴールじゃないので」とはにかむような笑顔で控えめに喜んだ。

 父の治男さんとの約束も見事に果たした。この日の朝、治男さんが自宅を出る際に「点を取ってくる」と宣言。令和1号だけでなく、84回大会のFW徳村(奈良・一条)がマークして以来となる、史上2人目の開幕戦3発も達成した。「入学してから練習試合を含めてもない」というハットトリック。選手権の歴史に名を刻んだ。

 チームは94回大会で最高成績となる準優勝。中学2年生だった山下貴は決勝も含めて久我山の3試合を観戦し、「いつかここでサッカーをしたい」と思いを強くした。大会後には清水恭孝監督(47)の退任が決まっている。憧れたユニホームを着て、指揮官の花道を飾るのが今の目標だ。「監督のためにも勝ち続けたい」。3点目を決めた時のように控えめな笑顔で、それでも自信ありげな言葉を残して、会場を後にした。

 ≪開幕戦で最多≫国学院久我山が開幕戦で前原に8―0で勝利。開会式直後に1試合の開幕戦を行うようになった78回大会(99年度)以降では、84回大会(05年度)の一条(奈良)が甲府東(山梨)戦で記録した5ゴールを更新する最多得点。

 ≪Wハットは11年ぶり≫国学院久我山のFW山下貴、山本航がハットトリックを達成。1試合に同一チームから2人が3得点以上を記録したのは87回大会(08年度)の3回戦の同じく国学院久我山が那覇西(沖縄)戦で、MF田辺、FW川久保がダブルハットして以来、11年ぶり。開幕戦での達成は初。

 ◆山下 貴之(やました・たかゆき)2001年(平13)6月11日生まれ、東京都出身の18歳。柴又K1DSからジェファFCを経て、国学院久我山に入学。幼少期よりFW一筋で、50メートル6秒1の快足を武器にピッチを切り裂く。立大に進学予定。好きな選手はマンチェスター・シティーのFWレロイ・サネ。家族は両親と兄、弟。1メートル72、62キロ。利き足は左。

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