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浦和 逆転必ず!“勝ち上がりの歴史”決勝T初戦●でも2戦目全勝

[ 2019年11月11日 05:30 ]

アジアCL・決勝第1戦   浦和0―1アルヒラル ( 2019年11月9日    リヤド )

<アルヒラル・浦和>敗戦にしゃがみ込む浦和・槙野(中央)
Photo By 共同

 史上初となる3度目のACL制覇を狙う浦和はアルヒラルとの決勝第1戦に0―1で敗れた。GK福島春樹(26)が出場停止の西川周作(33)に代わってACL初先発すると、1失点ながら随所に好セーブを連発。アウェー戦を最少失点に抑えた。過去、浦和がACL決勝トーナメント第1戦に敗れたケースは4度あるが、全て第2戦で逆転している。第2戦は24日、埼玉スタジアムで行われる。

 まさに鬼神。GK福島がビッグセーブを連発した。「人生を懸けて挑みます!」。熱き魂は前半34分、ペルー代表MFカリジョのヘッド弾を右手一本ではじいた。同37分には元イタリア代表MFジョビンコの一撃も右へ跳んで好セーブ。「前半のプレーはよく止めたな、と」。出場停止の西川に代わる守護神が随所に神がかり的な反射を見せた。

 唯一のミスは後半15分、クロスの目測を誤り失点。「食いついてしまった。判断ミスです」。以前の福島ならここで崩れたかもしれない。17年決勝の遠征も同行したが、ベンチ外。観客席で紅茶を飲みながら傍観していた。当時は何でもすぐに諦めがち。だがこの日は違う。「これ以上、失点しないよう切り替えられた」

 この2年、福島の原動力はあの「ベンチ外」の屈辱だ。浦和のGKには西川がいる。日陰生活が続いても腐らず準備姿勢から全てを見直した。右膝には今もボルトが残る。J3鳥取時代の16年に前十字じん帯などを損傷、現在も周囲の筋肉を鍛えカバーする。地道な努力は精神面も成長させた。シュート数は2本対22本も第2戦に望みをつなぐ1失点で切り抜けた。

 勝機はある。浦和は過去4度、ACL決勝Tの第1戦に敗れているが、全て第2戦で逆転している。鈴木が言う。「特徴はつかめました。相手のメンタリティーには隙がある」。第1戦は逆転への伏線。DF槙野も「行けますよ!逆境はみんな、大好きなんで」。まさに逆転の浦和なのだ。

 第2戦は24日、真っ赤に染まる埼スタが舞台。史上初となる3度目のACL制覇は射程圏内だ。

 《2点差以上○で第2戦逆転優勝》浦和がホーム&アウェーで施行された決勝トーナメントで、第1戦で敗れるのは今回で5度目。過去の4度は全て2戦目で逆転勝利している。17年は決勝トーナメント1回戦の済州戦、準々決勝の川崎F戦で、2試合連続で第1戦の2点ビハインドをはね返して勝利。今季も決勝トーナメント1回戦の蔚山戦で●1―2→○3―0で突破している。“逆転の浦和”がクラブ3度目の優勝を狙う。

 浦和は第1戦を0―1で落としたが、日本チームが決勝の試合で敗れるのは初めて。第2戦で90分での逆転優勝には、2点差以上の勝利が必要。1点差勝利なら1―0の場合のみ、前後半15分の延長戦→PK戦で決着。1点差で勝っても失点すればアウェーゴールの差で準優勝となる。

 ホーム&アウェー方式で行われたACL決勝第1戦で敗れた延べ7チームのうち、逆転Vは04年アルイティハド(●1―3→○5―0)だけ。浦和は史上2チーム目の逆転Vを狙う。

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