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浦和 オリヴェイラ監督を解任 11位低迷で引責 後任には“組長”大槻毅氏を起用

[ 2019年5月29日 05:30 ]

成績不振で解任されたオリヴェイラ監督
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 浦和は28日、オズワルド・オリヴェイラ監督(68)の成績不振による契約解除を発表した。リーグ戦は26日の広島戦で大敗するなど09年以来の4連敗を喫し、11位に低迷している。同時にルイス・ヘッドコーチ、アレックス・コンディショニングコーディネーターとの契約も解除。後任には3月までヘッドコーチを務めた大槻毅氏(46)が就任し、きょう29日の練習から指揮を執る。

 「オズの魔法」も限界だった。26日の広島戦では0―4と惨敗し、10年ぶりの4連敗。オリヴェイラ監督は連戦が続く主力組を起用したが、疲労度を見極められず低調に終わった。今季総得点10はリーグワースト3位。得点力不足は改善の兆候が見えず、クラブ側は事実上の解任を決断。今季J1では神戸、鳥栖、清水に続く4度目の交代劇となった。

 鹿島で7冠を獲得したオリヴェイラ監督は昨年4月、堀孝史元監督の解任を受けて就任。フィジカル面から再建し天皇杯制覇に導いた。上積みが期待された今季だったが、戦術面では打つ手に乏しくFW杉本、MF山中ら大型新戦力との融合も進まなかった。ACLは1次リーグを突破も、リーグ戦は5勝2分け6敗、特にホームではわずか1勝。J1との2冠を目指す上で看過できず、この日の、上武大との練習試合がラスト采配となった。

 立花社長は公式声明を発表。「特にホームでの試合内容が悪く、トレーニングでも改善されず、このままでは上位進出もままならないと判断した」という。今夏、新戦力の補強は行わない方針で、3年連続となるシーズン途中での監督交代は不可避だった。

 後任は大槻毅氏が務める。3月にヘッドコーチ職を解かれると選手からは不安の声も出たほど信頼も厚い。暫定的に指揮した昨年4月には柔軟な戦術と起用法で4勝2分けと短期間でチームを劇的に変えた。「戦術的な部分を植え付けることでチームを躍動させてくれると確信しています」と立花社長。ダークスーツにジェルで固めた髪、派手なアクションで「アウトレイジ」「組長」と呼ばれた熱き男。低迷打破は再び、オールバックの指揮官に託された。

 ◇オズワルド・オリヴェイラ 1950年12月5日生まれ、ブラジル・リオデジャネイロ出身の68歳。選手の経歴はなく、フィジカルコーチ出身。ブラジルではコリンチャンス、サントスなど名門クラブの監督を歴任。07~11年には鹿島を率い、J1を3連覇するなど7冠獲得。昨年4月から浦和を率い、同12月に天皇杯制覇。オフには富士登山を楽しむ親日派。1メートル83、80キロ。

 ◇大槻 毅(おおつき・つよし)1972年(昭47)12月1日生まれ、仙台市出身の46歳。筑波大を経てJFLのソニー仙台FCなどでプレー。その後、複数のJクラブでコーチを歴任。データを駆使した分析が得意。浦和ではユース監督などを経て昨季は暫定的に監督、さらにヘッドコーチを務めた。今年3月、「海外クラブとのネットワーク構築推進プロジェクト」立ち上げに伴い、責任者に就任。ヘッドコーチ職を離れていた。

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