×

西野朗氏 スペイン国王杯バルセロナ分析 前半と後半で戦術変更「監督と選手の間に高い信頼関係がある」

[ 2019年2月28日 22:26 ]

スペイン国王杯準決勝第2戦   バルセロナ3―0レアル・マドリード ( 2019年2月27日 )

WOWOWでゲスト解説を務める前日本代表監督の西野朗氏
Photo By 提供写真

 スペイン国王杯は27日、準決勝第2戦が行われ、史上初の5連覇を狙うバルセロナがウルグアイ代表FWルイス・スアレス(32)の2得点などでレアル・マドリードをアウェーで3―0と破り、2戦合計4―1で決勝進出を決めた。

 中2日で迎える3月2日に再びマドリードで、レアル・マドリードとバルセロナが今度はリーグ戦で激突。この伝統の一戦「クラシコ」を生中継するWOWOWでゲスト解説を務める前日本代表監督の西野朗氏が、現地で生観戦した国王杯のバルセロナを分析した。

 第1戦はバルセロナがホームで1―1。第2戦はアウェーで3―0大勝という結果に「ああいう大差になるとは予想していなかった」と振り返った西野氏。0―0で折り返した前半について「バルサは点は取れなくてもいいけど、とにかく取られない戦い方だった。メッシも前半は存在感があまりなかったし、ラキティッチもポジションが低かった。守備的な要素が強かった」と印象を語った。

 前半に相手の決定機をしのいで0―0で迎えた後半に「スイッチを変えたのはバルサだった。ラキティッチも前半とは違って高めでプレーし、デンベレも最終ラインの背後を突くようなスプリントも増えた。積極的に点を取るモードになった」。後半5分、左サイドを突破したデンベレの折り返しからFWスアレスが先制点を決めた。

 スアレスは後半24分にデンベレの右クロスにつめて相手オウンゴールを誘い、同28分には倒されて得たPKを浮き球(パネンカ)で決めてダメ押し。西野氏は「両チームがお互い両サイドを攻略しながらクロスを上げてチャンスはつくった。そのポイントにいたのはスアレスであって、ベンゼマ(Rマドリード)はいなかった。その差はあった」と両センターフォワードの出来がこの試合の明暗を分けたと分析。スアレスは直前の23日セビリア戦で公式戦6試合ぶりの得点を決めており「3点目のPKを蹴らせたのもスアレスの調子を上げたいという機運がバルサにあったと思う。スアレスはやはりストライカー。ポストプレーでロストも多かったが、体がゴール方向に向いた時の強さ、決定力はやはりある」と印象を語った。

 西野氏が高く評価したのはバルベルデ監督の戦術をチームが実行する力。「監督と選手の間に高い信頼関係があると思う。同じメンバーで入った後半に、攻撃的な戦術変更を選手達がよく実践できていた。当然メッシが注目されるが、特に前半はデンベレを使いながら左サイドで組み立てて、そこからメッシら右サイドにサイドチェンジして突破を狙うような戦術も、選手が理解してしっかり実践しているように見えた」と分析した。

続きを表示

この記事のフォト

2019年2月28日のニュース