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岩本輝雄氏 東京Vロティーナ監督手腕はスペイントップクラス「来年が本当に楽しみ」

[ 2017年11月28日 19:27 ]

ロティーナ監督
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 来季昇格チームの残り1枠を懸けたJ1昇格プレーオフ(PO)が始まり、11月26日に準決勝が行われました。J1昇格POは2012年に導入された制度で、3位から6位の4チームが出場。準決勝では3位の名古屋が6位の千葉に4―2で勝ち、4位の福岡は5位の東京Vを1―0で下してそれぞれ12月3日の決勝進出を決めました。

 私がV川崎時代の2000年に1年間在籍した東京Vは、導入6年目にして初のPO出場。残念ながら08年以来10年ぶりのJ1昇格は叶いませんでしたが、選手にとってはいい経験になったと思います。

 昨季は22チーム中18位。14年には20位でJ3降格の危機に直面したこともあります。経営難もあって毎年のようにユース出身の有望な若手が引き抜かれるなど、チームもサポーターも辛く厳しい時期が長く続きましたが、スペインでエスパニョールなど名門チームを率いた実績のあるロティーナ監督(60)が今季から就任して戦術やトレーニングはもちろん、いい意味での緊張感など空気も一変したと思います。

 スペインのサッカー関係者にも直接何人か聞きましたが、ロティーナ監督の指導はスペインでもトップクラスだと皆さん口をそろえます。私も1度ロティーナ監督と話したことがありますが、語り口も落ち着いていて、人間的にもいい指導者だと感じました。戦術的にはポジショニング最優先で、選手間の距離感が絶妙です。あまり選手が動き過ぎず、ボールの動かし方がうまいので、相手はボールを奪いにくい。東京Vは若い選手が多いチームですが、あの素晴らしい監督と1年間一緒にできたことは、今後のサッカー人生にとって大きいと思います。率直に羨ましい。私も現役時代に指導を受けたかったと素直に思います。

 在籍したのは1年間でしたが、1度でもあの緑のユニホームを着た身としてはやはり思い入れがあります。初代Jリーグ王者、ヴェルディというのはそういうチームです。久々にJ1であの姿を見たかった。そういう意味では残念でしたが、来年が本当に楽しみです。来年はぜひ2位までに入り、自動昇格でJ1復帰を果たしてほしいものです。(岩本輝雄=元日本代表MF)

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2017年11月28日のニュース