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G大阪・堂安、オランダ移籍 フローニンゲンから本田の道行く

[ 2017年6月24日 05:30 ]

記者会見でガッツポーズするG大阪の堂安
Photo By 共同

 G大阪は23日、U―20代表MF堂安律(19)がオランダ1部フローニンゲンへ移籍することを発表した。7月1日からの期限付きで買い取りオプション付き。年俸30万ユーロ(約3700万円)で移籍金は150万ユーロ(約1億8600万円)とみられる。堂安は移籍会見で、日本代表MF本田圭佑(31=ACミラン)のようなステップアップを目指し、ロシアW杯出場にも強い意欲を見せた。

 晴れやかな表情で会見に臨んだ。堂安は「このタイミングで行くのは申し訳ない。G大阪への愛着も強く、タイトルを獲るというのも選択肢にあったけど、それと比較しても自分の成長したい思いが強かった」と話した。

 決め手は5月に出場したU―20W杯だった。4試合3得点と結果を残し「手応えはあった」という一方、「外国人は20歳で試合に出始めてから凄く成長するといろいろな人から聞いている。自分もそこに追いつくために早くスタートラインに乗るために決断しました。負けたくない」と危機感を抱いた。クラブ側は慰留に努めたが決断は揺らがなかった。

 関係者によると海外5クラブから獲得の打診が届く中、フローニンゲンを選んだのは「熱意」とステップアップできるリーグ環境。過去には本田や日本代表DF吉田麻也がオランダリーグを皮切りに成長した。「まずは試合に出ないと。もしビッグクラブから話が来ても行っていない。自分の実力は分かっている。まずは出られるチームでベストなチーム」と本田と同じようなイメージを描いている。

 その先にはW杯ロシア大会をも見据えている。日本代表のハリルホジッチ監督は久保や加藤らビッグリーグでなくとも結果を残した選手を代表に選出している。「爆発的な結果を残せば、選んでくれる監督だと思う。しっかり自信を持ってやりたい」と前を向いた。

 G大阪でのラストマッチは25日の川崎F戦。サポーターへ贈る惜別弾で新たな一歩を踏み出す。

 ▽U―20W杯の堂安 全4試合にフル出場しチーム最多の3得点。1次リーグ初戦の南アフリカ戦は1―1の後半27分に15歳FW久保の左折り返しから左足で決勝点。0―2で敗れたウルグアイ戦は不発も、続くイタリア戦は2ゴールで2―2引き分けと1次リーグ突破に貢献。2点を追う前半22分に左クロスを左足爪先で合わせて1点目、後半5分にドリブルで相手4人をかわし左足で同点弾を決めた。決勝トーナメント1回戦のベネズエラ戦は無得点に終わり、チームは延長の末0―1で敗退した。

 ▽FCフローニンゲン 1971年創設。クラブカラーは緑と白で1部リーグ優勝1回(1980年)、国内カップ戦は1回(14〜15年)。16〜17年シーズンは8位。オランダ代表MFロッベン(現バイエルンM)やウルグアイ代表FWスアレス(現バルセロナ)も過去に在籍した。本拠地ユーロボルフスタジアムは2万2579人収容。

 ◆堂安 律(どうあん・りつ)1998年(平10)6月16日生まれの19歳。兵庫県尼崎市出身。G大阪ジュニアユース―G大阪ユースを経て16年からトップチーム昇格。高校2年生時の15年5月27日、ACL・FCソウル戦でクラブ史上2番目に若い16歳345日でデビュー。同年6月3日の鹿島戦でクラブ史上最年少リーグデビューを果たした。U―20W杯出場。今季J1リーグ9試合3得点。1メートル72、70キロ。利き足は左。

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