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【J1注目株】松本FW阿部吉朗 若いチームけん引して示す34歳の集大成

[ 2015年2月19日 12:18 ]

松本山雅FW阿部吉郎

 恩師の下でサッカー人生の集大成を飾る。FWとして、FC東京や湘南など数々のクラブを回ってきた阿部。「何年か前から誘っていただいていた。自分の中で(サッカー人生を)締めくくる年が近づいてきて、自分が自分でいられる場所を選んだ。(松本)山雅以外の選択肢はなかった」と引退か松本入りの二択に絞っていた。

 湘南時代、2年間指導を受けた反町監督の存在が移籍の最大の理由だ。「10年以上プレーヤーをやってて、監督とはこうあるべきと思える方。監督のいるチームは、みんなが同じところ(目標)へ向かっている。一体となって戦うチームになる」。当時J2だった湘南が一丸となり、初めてJ1昇格を果たした感動をともに味わった。また、現在34歳のため「年齢に関係なく選手を見てくれる」と、指揮官の下で年齢に左右されずにもう一度自分らしくプレーしたいと考えている。

 J1で190試合出場の豊富な経験をチームに伝える。「試合に必要なメンタリティーだったり、長く現役でやるためのケアなどを伝えていきたい」と若手選手を中心に今まで得たものを還元していく。横浜や名古屋に在籍したDF田中の出場試合数355に続いてチーム2位の数字。J1で10試合以上の出場経験を持つ選手はわずか4人だけに、J1通算31得点のストライカーが果たすべき役割は大きい。

 引退の時期は「自分の納得できるところで」と今年に定めているわけではない。しかし、1月25日の新体制発表では「サッカー人生の集大成を山雅で終えられるのは幸せ」と言い切るほどの覚悟を持ってきた背番号39。チーム最年長が松本の地で最後の力を振り絞る。

 ◆阿部 吉朗(あべ・よしろう)1980年(昭55)7月5日、愛媛県生まれの34歳。常総学院高から流通経大に進学。02年にFC東京と契約を結び、同校初のJリーガーとなった。その後、大分、柏、湘南、甲府、磐田を渡り歩き、今年から松本でプレー。J1通算190試合31得点。J2だった昨季は20試合3得点。1メートル74、77キロ。背番号39。

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2015年2月19日のニュース