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本田は右FW最適…インザーギ監督断言 4戦不発も信頼変わらず

[ 2014年11月13日 08:55 ]

本田について揺るぎない信頼を口にしたACミラン・インザーギ監督

 ACミランのフィリッポ・インザーギ監督(41)が、ホンジュラス戦に臨む日本代表FW本田圭佑(28)への揺るぎない信頼を口にした。スポニチ本紙の取材に応じた元イタリア代表ストライカーは、リーグ戦で4試合無得点の本田がチームに不可欠な存在であることを断言。今季の復活劇やアギーレジャパンでも同じポジションに入っている右FWとして適性、さらに来年1月のアジア杯でチーム得点王を欠く影響などについても語った。 (聞き手・アルベルト・コスタ=コリエレ・デラ・セーラ紙、構成・垣内 一之)

 本田は今季開幕から7試合で6得点と見事に復活を遂げた。ここ4試合は無得点とパフォーマンスが低下し、8日のサンプドリア戦では今季最短の後半14分に交代を告げられた。それでも、チームで唯一、全11試合に先発起用している指揮官は、チーム得点王の本田に対して揺るぎない信頼を口にした。

 「圭佑はサンプドリア戦の週に風邪をひいてしまった。それが影響した。私にはちょっと疲れているように見えた。だから交代させただけ」

 むしろ本田の体調を気遣っての采配だったと強調した。その後は本田への称賛の言葉を並べた。

 「圭佑は本当にとても頭の良い青年だ。特にポジショニングが素晴らしい。試合の状況をしっかり読み、絶妙のタイミングでポジションを取れるんだ。チームメートへのサポートも素晴らしくボールを呼び込める。ゴールの嗅覚も持っている。彼の持つ最大のクオリティーはまさにその戦術理解度の高さにあり、私もとても気に入っている」

 本田は昨年1月にCSKAモスクワからACミラン入り。指揮官が目まぐるしく交代した影響もあり、真価を発揮できなかった。だが、インザーギ新監督が就任した今季は見違えるような活躍となった。新指揮官はどのように再生したのか。

 「秘密なんてないよ。全てのベースは彼の素晴らしいプロフェッショナルな姿勢にある。圭佑は決して現状に満足することがない。常に向上することを心掛けているんだ。事実、彼は自宅でもトレーニングしているしね。昨季は(ロシアと)全く違う環境に戸惑っていたようだね。言葉の壁も大きかったと思うよ。今はイタリア語も理解しているし、ちょっとずつ話せるようになってきている」

 1年目の昨季にぶち当たった問題点を指摘。その上で今季の復活の要因の一つに新ポジションを挙げた。昨季は4―2―3―1の右MFだったが、今季は4―3―3の右FWでプレーしている。

 「彼にはプレシーズンのこの夏、私がどのようなシステムを採用し、その上でどこでプレーしてもらいたいか、しっかり説明をした。圭佑は、私の説明をしっかり理解し喜んでくれた。そしてすぐに実践してくれたんだ。もちろん、彼のポジションはとても運動量が必要だ。でもこのポジションでは得点も狙える。今まさにそれを実践している形だ。これは全て彼の努力のたまものだよ」

 くしくもアギーレジャパンでも同じ4―3―3の右FWでプレーしている。指揮官にとって、これも好都合だという。

 「とてもポジティブなことだ。私はこのポジションが彼にとって最適だと思っている。試合を重ねるごとに、私のこの確信はどんどん増していっているからね」

 指揮官にとって不可欠な存在となったが、来年1月にはアジア杯に招集されることが確実。少なくともリーグ戦で4、5試合の欠場となる。

 「それは本当に残念でならない。間違いなく彼の不在はチームに影響するよ。ただ、チームには代役もいる。私は本田の不在がチームにとって大きな問題にならないことを切に願っているよ」

 偉大な選手が背負った栄光の10番。本田はあえて重責を担う番号を選んで復活へとつなげたが、指揮官はさらなる活躍に期待を寄せる。

 「圭佑はこの番号に恥じることのないプレーを見せている。私は、圭佑がかつて10番をつけてプレーした選手たちに近づけるようにと願っている」

 ◆フィリッポ・インザーギ 1973年8月9日、エミリア・ロマーニャ州ピアチェンツァ出身の41歳。現役時代はユベントス、ACミランなどで活躍し、欧州CLなど数々のタイトルを獲得。96~97年シーズンにはセリエA得点王に輝いた。イタリア代表でW杯に2度出場し、06年ドイツ大会で優勝。ACミランでは今季、ユースからトップチームの監督に昇格。愛称はピッポ。

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