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本田「サプライズ起こせる 王者に!」英語で優勝宣言

[ 2014年5月20日 05:30 ]

今季最終戦をベンチで見守るACミランの本田圭佑

 ACミランの日本代表MF本田圭佑(27)は18日、リーグ戦最終節のサッスオーロ戦後に取材に応じ、6月12日(日本時間13日)開幕のW杯ブラジル大会での逆襲を誓った。出場機会がないまま2―1で勝ったこの日を含め、不完全燃焼に終わったイタリアでの4カ月半に言及。課題を挙げながら、あらためてW杯優勝に照準を合わせた。本田は近日中に帰国し、日本代表に合流する。

 誰もいなくなったピッチに大粒の汗が滴り落ちた。10分、20分…。コーチがロッカールームに引き揚げても、本田は1人で黙々とダッシュを繰り返した。ホームにしばしの別れを告げ、次なる戦いへとスイッチを切り替えているようだった。

 1月のACミラン移籍後、初めて試合後の共同取材に応じた本田。すっきりした表情で報道陣に対すると「4カ月半の日々はW杯の力になるのか?」という問いに「もちろんです。それは右(サイド)をやったことも生きるだろうし、できなかった悔しさも。全てを生かすつもり」と訴えた。

 報道陣170人が殺到した大々的な入団会見から4カ月半。本職のトップ下でプレーする機会は限られ、主戦場は右サイド。本田の攻撃イメージと周囲とのサッカー観の相違、攻守の分担が明確なイタリアサッカーへの順応に苦しみ、ファンやメディアから痛烈な批判やブーイングを浴びた。

 「いろんなことが分かった。自分が通用するところ、しないところ。良い意味でも悪い意味でも、それは皆さんも僕も分かったと思う」。そして「個(の必要性)は過去4年間言ってきたが、それでも4年間では通用しない」と自身が持つ個の力が足りないことを客観的に分析。リーグ戦14試合で1得点2アシストという成績に「自分を許すことができない数字。今までの自分なら4、5点は取っていた。ミランですし、自分のイメージする以上の数字も狙っていた。6、7点くらいですね。だから達成度は6分の1」と吐き捨てた。

 だが、尻尾を巻いて逃げる性格ではない。「来年この数字ならばサッカーをやめてもいいと思うくらい」と不退転の決意を示し「自分にできることは少なからずある」と強気な姿勢も健在。当然、反撃の第一歩はW杯ブラジル大会から始まる。

 本田はかつてG大阪ユースに昇格できなかったこと、北京五輪での1次リーグ3連敗などを引き合いにした。過去のつまずきが自らを大きくしてくれた。もがき続けた全ての日々にも「意味がある」ことを知っている。

 試合への飢え。勝利への渇望。そして自らが勝利に導く願望…。「W杯ではサプライズを起こせると思っている。我々には野望がある。王者になりたい」。本田はW杯4度の優勝を誇るイタリアのメディアにも臆することなく英語で優勝を宣言。ミラノで味わった屈辱をW杯で力に変える。

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