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伊野波、飲料水は常にぬるく 夜9時以降の食事もやめた

[ 2014年5月16日 11:23 ]

児童とハイタッチする伊野波ら磐田イレブン

 はだしでサッカーをする王国の少年たちの姿がきっかけだった。DF伊野波雅彦(28=磐田)は中1から中2にかけての春、そして翌春にもう一度、ブラジルへの短期留学を経験している。はだしのように地面を力強く踏みしめられる5本指のソックスは、以来の愛用品。指を広げることが「ケガの防止につながることもある」と信じて練習から欠かさない。

 小さなポリシーは他にもある。練習中の飲料水は、常にぬるい。冷水によって多量に摂取するサプリメントでおなかを壊さないようにするためだ。また、片道5~6時間の移動も珍しくないアウェー遠征には、フィギュアスケートの浅田真央らも使用しているマットレスを持参する。尻や腰を痛めないよう、移動中のバスでも敷く。

 昨年末からは、夜9時以降に食事を取ることもやめた。「そういう積み重ねで体脂肪率も変わる」。実際1・5%減り、9%をキープ中。ソックスも水もマットレスも「代表の選手はみんなやっている」と話すが、全てにこだわる選手はそうはいない。

 今大会にはJ2からたった一人、メンバー23人に選出された。細部にまでちりばめられたストイックさが、夢舞台への扉をこじ開けた。サイドバックもセンターバックもこなせる28歳は“原点”のピッチに立てる瞬間を待ち望んでいる。

 ◆伊野波 雅彦(いのは・まさひこ)1985年(昭60)8月28日、宮崎市生まれの28歳。鹿児島実から阪南大に進学。3年時の06年にFC東京と契約。08年に鹿島へ移籍。11年にクロアチア1部ハイデュク・スプリトに移籍。神戸を経て13年から磐田。1メートル79、75キロ。利き足は右。

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2014年5月16日のニュース