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オシム氏が語るW杯対策 「個」より「組織」走力で圧倒を

[ 2014年3月27日 07:19 ]

ブラジルW杯での見どころを語った元日本代表監督のオシム氏

オシムの提言

 W杯ブラジル大会まで3カ月を切り、出場国の準備も進んでいる。日本は1次リーグ突破のためにどう戦うべきか、また本大会で注目の国はどこか。元日本代表監督のイビチャ・オシム氏(72)が見どころについて語った。

 日本はどんな相手とも対等に試合ができるところまで進歩した。コートジボワールとギリシャは、日本よりも大型で、試合ごとに「波」があるのも共通している。簡単に勝てる相手ではないが、怖がらないことだ。日本は若い選手が多く、強豪相手にコンプレックスもない。サプライズを起こしてやろうと、明るく普段通り伸び伸びとプレーしてもらいたい。

 初戦のコートジボワール戦を想定しても、ゴール前の競り合いで一対一になったら日本が不利。組織的・集団的に戦わなければならない。日本がチャンスを得るのは、走力で上回る時だ。相手よりも走ることで数的優位の局面を何度もつくれる。守備でも相手が嫌になるほどアグレッシブにいく。ゴール前にいい形でボールを入れさせないこと。日本の弱点はセンターバックとGKだから、中盤やサイドで相手を自由にさせないこと。いやが応でも走らなければならないだろう。

 その上で、期待を込めて話すが、1次リーグを突破した後の、決勝トーナメントの対戦相手のことも頭の片隅に置いておくことだ。南アフリカ大会では残念な結果(パラグアイにPK負け)に終わったが、今回はもっと強敵と対戦することになる。D組からはウルグアイ、イタリア、イングランドの、いずれもW杯優勝経験のある国が出てくる。その挑戦権を争うのが1次リーグと考えればいい。自分たちを信じ、相手より走り、試合終了前に降伏しない、アグレッシブなプレーで相手を追い詰め、圧倒すること。日本には大いに期待している。

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2014年3月27日のニュース