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本田 バロンドロールも「夢ではない」 王者へ入団会見  

[ 2014年1月9日 05:30 ]

ACミランのユニホームを手にする本田とガリアーニ副会長

 ACミランに加入した日本代表MF本田圭佑(27)の入団発表が8日、ミラノ市内の本拠ジュゼッペ・メアッツァ(通称サンシーロ)で日本やイタリアなどの報道陣約170人を集めて行われた。契約期間は3年半。本田は欧州チャンピオンズリーグ(CL)優勝を目標に掲げて攻撃的な戦いの必要性を説くなどチームを引っ張る覚悟で、自身に重圧を掛けながら名門再建に挑む決意を示した。会見後は初めてチームの練習に合流。早ければ12日のサッスオーロ戦でデビューする。

 ACミランの荘厳な公式ソングが響き渡る中、本田が壇上に現れると、カメラの放列が一斉にフラッシュを浴びせた。背後のスクリーンには背番号を示す「10」に本田の横顔を模した特製ロゴが用意された。会見冒頭で本田を紹介する3分間の映像が上映。約50人の日本人を含む総勢約170人に囲まれた特別な会見に、最初は本田も緊張の面持ちを隠せなかった。

 ただ本来の姿を取り戻すのに時間は要さなかった。「自分が何者なのかを表現したい」と強調。ミランを選んだ理由で「心の中でリトル本田に聞いた。“どのクラブでプレーしたいか”と。リトル本田は“ミラン”と言った」と会場を笑わせた。欧州CL優勝7度、リーグ優勝18度の名門を再建させる決意、重圧と付き合っていく覚悟を表明。自身の希望で30分のやりとりを英語で通した会見の最後を「PIACERE(初めまして)」とイタリア語のあいさつで締めると、日本の記者には司令塔としてチームを引っ張る決意を示した。

 「技術論で言えば、もう少し全体的にアグレッシブに戦うべきだなあというのは感じている。それはDF陣も攻撃陣もそう。それをするには、やっぱり練習から追い込んでいかないと。試合前のミーティングでアグレッシブに行こうと言ったからできるものではない」

 会見後にはチームメートとの練習に初めて合流したが、まだデビューさえしていない状況で早くも低迷するチームのリーダーになっているかのような発言だった。ポジションに関しても「どのポジションでもできるが、選べるならばトップ下。一番得意」と強調した。

 背番号はかつてサビチェビッチ、ルイ・コスタ、シードルフら各国のスターがつけた10番。あえていばらの道を選んだ本田だが、その理由を問われると報道陣に対し「10番をつけるチャンスが目の前にあって、違う番号選びますか?」と逆に質問。その上で「僕はそのチャンスが目の前にあって喜んで自分から要求しました。ダメだったときの反動も理解している。でもこれがやっぱり自分が求めていたものだと思うと気持ち良い。重圧はあとから来るもの。でも、後悔することはない」ときっぱり言い切った。

 チームを導く先はタイトル。「チャンピオンになりたい。CLで勝つことを考えている」。さらに会見を日本に生中継した衛星放送スカパー!の独占インタビューではFIFAバロンドール(世界最優秀選手)に関して質問され「しっかりやるべきことをやれば夢ではない」と力説した。9日の練習では紅白戦の予定が報じられ“実戦デビュー”の見通し。サッカー選手の頂点へ。果てしない夢を追いかける戦いが、いよいよ始まる。

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2014年1月9日のニュース