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手向けのACL予選突破を 仙台手倉森監督の母へ

[ 2013年4月29日 06:00 ]

<仙台・鳥栖>後半9分、同点ゴールを決めた仙台・赤嶺(左)を祝福するウイルソン(中央)ら

J1第8節 仙台1―1鳥栖

(4月28日 ユアスタ)
 仙台はホームに鳥栖を迎え、1―1で引き分けた。手倉森誠監督(45)の母・朝子さん(享年72)が27日に他界。弔いの一戦は勝利を挙げることはできなかったが、後半9分にFW赤嶺真吾(29)のゴールで追いついた。中3日で臨む5月1日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグ最終戦、江蘇舜天(中国)戦で勝って決勝トーナメント進出を決め、天国に吉報を届ける。

 天国へ白星は届けられなかった。ただ、勝利へ一丸となった思いはきっと伝わったはずだ。1点ビハインドで折り返すと後半9分、左サイドの武藤のシュートは右ポストに阻まれたが、こぼれ球を赤嶺がダイレクトでゴールに押し込み追いついた。その後も攻撃の手を緩めない。同ロスタイムには再び赤嶺がペナルティーエリア内でシュートを放った。だが、ゴールはならず。「1つのチャンスをものにしたかった」と唇をかんだ。

 勝ちたい理由があった。27日に手倉森監督の母・朝子さんが虫垂がんのため72歳で亡くなった。それでもこの日、同監督は「震災があって(親族の)死に目にも会えない人がたくさんいた。自分は死に目にも会えて幸せ」と、気丈にも采配を振った。選手にはあるお願いをした。「母は昨年から闘病していましたが、見舞いのたびにベガルタの成績を気にしてくれていた。選手には試合前に、サポーターが1人いなくなった。勝って送り出してほしいと話しました」。結果的に勝ち点1にとどまったが、チームは90分間、走り抜いた。

 弔いの星を挙げる機会はすぐにやってくる。5月1日にはACL1次リーグ最終戦の江蘇舜天戦が控えている。勝ち点、直接対決の成績、得失点差でブリラム(タイ)と並んでおり、決勝トーナメント進出へ絶対に勝利が求められる一戦。今季初得点を記録した赤嶺は「(母を亡くした)監督が一番苦しかったと思うが、チームを指揮してくれた。次は勝ちたい」。初出場のACLで初の決勝トーナメント進出。ベガルタを愛し、ベガルタを思い亡くなった最高のサポーターに最高の報告をする。

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