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札幌 Jリーグ史上初のOB社長誕生へ 野々村氏「ワクワクしています」

[ 2012年12月21日 10:27 ]

札幌の社長に就任する野々村氏

 札幌を運営する北海道フットボールクラブの新社長にOBの野々村芳和氏(40)が就任することが20日、決まった。札幌市内のクラブ事務所で定例取締役会を行い、矢萩竹美社長(62)が来年3月末に任期満了で退任、野々村氏の招へいが確認された。

 野々村氏は来年1月1日付で同社顧問に就任。3月の株主総会で社長就任が承認される。Jリーグ史上初のOB社長の下、来季2部に降格する札幌が再スタートを切る。

 野々村氏が改革の象徴となる。Jリーガー初の社長は、神戸や鳥取などでプレーし、07年に鳥取の社長に就任した塚野真樹氏が初めて。しかし、鳥取の選手時代はJFLだったため、純粋なJリーグクラブOBは野々村氏が初のケースとなる。40歳の若さでクラブ運営を任された同氏は「僕にサッカー選手としての最高の思い出をくれたコンサドーレに、このような形で戻ることができて大変ワクワクしています」とコメントした。

 期待は大きい。札幌の黄金期だった00、01年に在籍。岡田武史監督の下、中心選手として活躍すると、テレビCMなどにも出演し、人気を博した。引退後は、解説業などでサッカー界での人脈を広げると、札幌のアドバイザーとしても尽力。サッカー界に精通し、クラブ事情も熟知している。改革には打ってつけの存在だった。

(幅広い活動経験/) 経営手腕に関しても、06年に株式会社クラッキを設立。代表取締役社長としてサッカー教室など幅広く活動してきた経験がある。クラブ経営は初めてだが、メーンスポンサー「石屋製果」の前社長で、クラブ取締役の石水勲氏(68)が全面サポートを約束。「より現場に近づくし、期待している」と話す。野々村氏は来年1月1日付で顧問に就き、社長就任までの準備期間もある。

 来季のトップチーム人件費はクラブ史上最低額となる約2億5000万円。今季の赤字決算も確定し、債務超過額も膨れあがる緊縮財政となる。新監督にはOBの財前氏の就任を発表。フロントもOBの野々村氏が束ねる。札幌OBの最強タッグで再建を図っていく。

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2012年12月21日のニュース